浦レポ by 浦和フットボール通信

整った強さの20分と爆発力の45分、どちらが本来の求める姿なのか【轡田哲朗レッズレビュー/J第4節 湘南戦】

(Report by 轡田哲朗)

スタメン継続と言えるメンバー、ベンチにCBは置かず

浦和レッズは3月17日にリーグ第4節の湘南ベルマーレ戦に臨み、4-4の引き分けで試合を終えた。良い立ち上がりからいくつかの決定機がある中で先制したものの、前半の半ばから崩れて1-3になり、多少のスクランブル感のある後半を過ごした結果として気が付いたら両チーム合計で8点も入っていた。浦和の目線だけで言うなら4点取ったこともそうだし、なんなら7点か8点入ってもおかしくないくらいのチャンスの数はあったので、これだけゴール前に迫っていく回数の多い試合を見るのも久しぶりだったという感覚はあった。

このゲームは第3節の北海道コンサドーレ札幌戦でアレクサンダー・ショルツから佐藤瑶大への負傷交代が起こったタイミングと同じメンバーで始まった。その意味でいくとスタメン継続のニュアンスが大きいと言える。ただ、ベンチメンバーは佐藤がスタメンになった枠に井上黎生人が昇格するのではなくて、エカニット・パンヤが入ることになった。それこそ札幌戦のようにセンターバックのアクシデントが起こったらどうする予定だったのかはペア・マティアス・ヘグモ監督の試合後会見で質問したので、その回答を見ていただくのがいいと思う。

湘南に関して私は読み違えて、5-3-2型の昨季と同じような形だった。4-4-2と予想した理由はプレビューに記したとおりだったが、その中で湘南は前半の途中でちょっとやり方を変えた。それはピッチ上の状況を湘南から見て好転させたが、基本的には前から追っていきたい形だった。

先制点の中盤3人を比較、バタバタ動いた湘南とあまり動いていない浦和

このゲームの特に前半20分くらいまでは良い形で湘南のプレスを外して前進していける場面が多く出ていた。例えば先制点につながった場面は、実際にはGKの西川周作から前進が始まっている。正面のサミュエル・グスタフソンにボールを当てて、湘南の2トップの追い方もありマリウス・ホイブラーテンへとボールが流れた。

以前も少し紹介したが、このパターンの時はサイドバックがセンターバックの横に降りて欲しいというリクエストがヘグモ監督から出ている。その是非には色々な意見があるかもしれないが、マリウスの悪いパターンとしてよくあるのが、ここでボールが時限爆弾であるかのように振る舞ってしまうことなのだけど、湘南は鈴木章がかなり急いでマリウスまでジャンプしてきたうえにGKへのリターンを切ろうとするので、マリウスは素早い前進になるグスタフソンへの右足パスを選択している。正直なところ「やればできるじゃないか」というプレーなのだけど、左足でGKに戻したい素振りも見せていたので「仕方なく」やったプレーが最善だったパターンかもしれない。

(残り 4434文字/全文: 5586文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ