浦レポ by 浦和フットボール通信

クリスマスツリーにハマったビルドアップと、みんながボールを見ること【轡田哲朗レッズレビュー/J第2節鳥栖戦】

(Report by 轡田哲朗)

組み合わせや機能性を探している段階のチーム

浦和レッズは6日のリーグ第2節、サガン鳥栖とのアウェーゲームに0-2で敗れた。プレビューでも記したように鳥栖の金明輝監督はモダンなサッカーを志向するタイプで、チームのキャラクターはリカルド・ロドリゲス監督の浦和にちょっと近い。だから真っ向勝負であったし、チームの成熟度というか、ベースから変化をつけられる割合の大きさみたいなところで差がついたなという印象の試合で、「ちょっと相手が良かったな」という感覚の残る敗戦になった。

スタメンでは右サイドに田中達也が入ったのが開幕戦から唯一の変更点で、リカさんは前日会見で「どのような選手を起用するかといえば、しっかり攻撃を仕掛けることができ、ゴールに結び付くようなプレーができること」と話していたので、2日のルヴァン杯湘南ベルマーレ戦の終了間際に抜け出したようなところを期待したのかもしれない。

結果的にこのメンバー変更はあまり機能性が上がらなくてハーフタイムに明本考浩を入れて前の試合のメンバーに戻すという、いわゆる「ごめんなさい交代」をすることになったのだけど、しばらくはこうやって組み合わせとか機能性の良さ、選手をチームに入れていく要素みたいなところを考えながらやらないといけないだろうから、その辺は新監督のチームが必ず抱える難しさも感じた。

クリスマスツリー型で追ってきた鳥栖のプレス

それで、開幕戦のFC東京戦や湘南戦の後半に比べると、浦和のビルドアップが苦しんだのは明らかだったと思う。それは、鳥栖がうまく守ったなという形があった。鳥栖のシステムは意見が色々わかれていて、中盤ダイヤモンドの4-4-2と言う人もいれば、3-5-2と書いている人もいた。試合後の会見で鳥栖の担当記者が「ウイングバックが云々」というようなことを色々と話していたから、3バックが念頭にある人もいるんだろうと思う。ただ、金明輝さんは「自分たちのベースは4枚だと思っているので、今日に関しては浦和さんの対策をするならこれが一つキーになるのかなと思ってトライした。5枚とか4枚ではなく、しっかりといい準備ができて、特に守備の面では上出来だった」という言い方だったので、「システムがどうとかうるさいなあ」という心の声があるかもしれない。

(残り 2915文字/全文: 3875文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ