浦レポ by 浦和フットボール通信

次期チェアマンに初のJリーガー出身の野々村芳和氏が内定「もう一度フットボールを基軸にやっていきたい」【次期チェアマン内定会見レポ】

公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ/チェアマン 村井 満)は、本日1月31日(月)に理事会を開催し、2020年度第9回理事会にて承認された役員候補者選考委員会からの答申に基づき、次期チェアマン候補者を含む業務執行理事候補者を内定者として2022年度定時社員総会の理事選任議案に含めることを承認。3月15日(火)開催予定の定時社員総会ならびに同日の理事会決議をもって正式に決定する。

今回のチェアマン、執行役員の選考に至っては、新たに外部組織の役員候補者選考委員会が2020年9月15日に発足して、透明性の中で決定をした。このチェアマン選考までの過程について、役員候補者選考委員会の野宮拓也委員長が説明を行った。

「委員会は2020年9月15日に発足し、法務委員長、社外理事、社外監事、J1実行委員、J2実行委員、J3実行委員と有識者から構成された。また、今回チェアマン候補者として内定した野々村氏はJ1実行委員に名を連ねていたが、ロングリストに野々村氏の名前が載り、そこから先の選考プロセスに進む意思があると表明があり、ロングリストからの絞り込みの過程で、第8回委員会から湘南の水谷氏に交代して審議を進めました。

Jリーグの内外のステークホルダーにインタビューを実施した上で経営課題を整理し、それをベースとして人材要件を定義。それから人材要件に合致すると思われるものを、ロングリストを作成。まずチェアマン候補者を決定し、その後チェアマン候補者と協議しながらその他の業務執行立候補者を決定しました。

チェアマン選考には、リードの価値を最大化するため、先行き不透明な複雑な環境の中で理念を基軸にビジョン基本戦略を示し、フットボールの魅力と授業の競争力を高める革新と変革を進めるとともに、社会連携などで多様なステークホルダーをマネジメントする力を持たなければならないと考えました。

推薦情報提供のあった人数は400名を超えました。そこから経験を初期的に評価して、170名のロングリストを作成。そこから十数名のショートリストを作成し、この10数名全員について委員会によるインタビューを実施。そして委員会においてこのインタビューを受けて全員によって十数名を評価しました。

その中で、野々村氏は、Jリーグの今後の経営課題に取り組むチェアマンに求められる要件をおおむね有しており、フットボールの強化とフットボール視点での事業の成長の両方を追求してJリーグの価値の最大化を図ることが期待できる最良の候補者と委員会は判断いたしましたえ。野々村氏はクラブを成長させた経営者としての能力経験とJリーガーとしての選手経験、Jリーグの実行委員理事としての経験を併せ持ち、フットボールのリーグ運営の基軸に置くという方針を明確に持っている。さらに組織内外への効果的なコミュニケーション能力と説得力。経営トップとしての勇気ある決断力と合わせ持ち、Jリーグのチェアマンとしての高いリーダーシップを発揮すると期待した。またフットボールの魅力を高めるJリーグの新たなビジョンを示し、現場感覚を持った実効性の高い変革をフットボールと事業の両面で実現できるとそのように評価としました。

Jリーグのチェアマンとしてのリーダーシップ能力とフットボールと事業を横断して意思決定ができる強みを評価して、すなわちフットボール面の強化改革とフットボール視点から事業強化できるという点が決め手となって野々村氏を次期チェアマンとして決定しました。

執行役員について、窪田氏は過去2年間の理事としてのクラブ対応と幅広い実務と干渉経験と本部長までの長期の在職年数で培われたJリーグの人、組織に対する理解によりフットボールクラブ経営組織開発担当として野々村氏を補佐できると考えております。高田氏は地方クラブの経営経験を通じて現場の課題を理解し、社会連携活動は実績を上げており、それをさらに広げたいという強い動機意欲も持つことから、社会連携担当等として成果を期待できます。並木氏はこれまでのJリーグ理事、クラブ役員としてのJリーグの課題に対する深い理解と実務経験。スポーツビジネスに対するコンサルティング経験と知見を生かし、財政基盤の持続可能性の確保や、会議体意思決定プロセスの改革を含む、経営企画、管理、総合調整担当として、野々村氏を全般的に補佐できると考えております。馬場氏については、スポーツ関連の新規事業企画の経験と、業界、技術についての治験をいたし、マーケティングデジタルライセンス担当として関係部門を干渉をすることで、マーケティング強化によるファンベースの拡大やデジタルの活用による事業機会の拡大を実現することが期待できます。

次期チェアマンが内定したことについて、村井チェアマンは「実に1年半ぐらいの歳月を経て400名越える集団の中から、しっかりとした議論をしていただき、今回の野村さんを答申いただきました。野々村さんに関しては、改めて議論する余地もないぐらい、Jリーグでプレーをして、この30年のJリーグの歴史の中で初めて、Jリーグでプレーをした選手経験者が、実行委員を経て理事を経て、そして今回チェアマンとなりました。そういう意味では30周年を迎えるにふさわしい、チェアマンだろうと思っています。野々村さんについて、コロナが始まる二年前に忘れもしない2月21日が開幕節で、湘南対浦和の試合でした。次の22日に私は柏に行って、柏と札幌の試合を観戦したんですけれども、駐車場で野々村さんは自分のクラブの試合をリアルで見ることができず、いつも車で試合中継を配信を見ていたんですけども、彼と試合後に、この後のコロナの対応をどうするか、1時間、2時間、彼とじっくり話をしました。それが最終的には4ヶ月の中断につながる意思決定となりました。当然、札幌の感染度合いが非常に厳しい状況であったこともあるんですけれども、野々村さんの現状に対する洞察の深さと今後の展望に対する見識の高さを、その時点で再認識したことを覚えています。フットボールのプレイヤーであり、クラブ経営者であるんですけれども、経営のかじ取りに必要な深い考察、洞察の力、こういうことも併せ持つというところは私も全く同感でございます。今後、野々村さんらしい大改革を私は歓迎しますし、心から応援したいと思っています。今回の選考プロセスにおいては、今日31日の理事会で初めて、チェアマン候補、業務執行理事の候補の名前をお聞きしました。我々Jリーグの中の役員からも、1人もこれを認識するものもなく今日の日を待っていました。我々サイドから完全に独立した形で、自由闊達な議論をしていただけたことが私の誇りでもあります。こうしたトップ選考のプロセスそのものが日本社会に一石を投じることとなればと願っております。

今回このタイミングで業務執行理事を離れる原さん、木村さん、佐伯さん。私自身がやってこられたのもこうした脇を支えてくださる方々のサポートなくしては自分自身のチェアマンを語ることができません。野々村さんを今後、脇を固めるサポートするいいチームを作っていただいて、困難を克服していたいただくことをお願いしたいと思っています。野村さん頑張ってください」とエールを送った。

また、野々村次期チェアマン候補者は「選んでいただいて大変光栄なんですけど、自分でも当然可能性でしかないと思ってます。ここからいろんなことを決めて、動かしていかなきゃいけない責任はすごく感じてます。その中で大事にしたいことを自分なりに考えてみるとやっぱり僕は49になります。40年以上サッカーと一緒に生きてきました。サッカー少年だった気持ちとか、選手になった気持ち。それから引退した後は、メディアの方でサッカーを伝えるその時の気持ち、そしてクラブの社長として、クラブを背負っていくような、そういったいろんなその立場に応じた気持ちを経験してきているので、いろんな難しい決断をしなきゃいけない中で、それぞれその時代に感じた気持ちを大切にしながら、より良いサッカー界にしていけるように、頑張っていきたいなと思っています」と挨拶した。

質疑応答

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