【島崎英純】2025Jリーグ第8節/浦和レッズvs清水エスパルス・試合レビュー『鮮やかな得点も防戦の試合展開。危うい橋を渡るも今季2勝目』

©Yuichiro Okinaga
ミドルブロックから
浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督はスターティングメンバーの人選と、その立ち位置に変化を加えた。チームキャプテンの関根貴大をベンチに回して石原広教が右サイドバックで今季初先発。また金子拓郎がベンチ入りからも外れて右ウイングにはマテウス・サヴィオが回り、左WGは松尾佑介が今季始めてスタートからピッチに立った。そして前節のセレッソ大阪戦で待望の戦線復帰を果たした渡邊凌磨が第2節・京都サンガ戦以来のスタメンを飾って安居海渡とコンビを組んだ。この影響でサミュエル・グスタフソンがベンチに控えた影響がどう及ぶかが気になったが、この布陣変更はC大阪戦のゲーム内容が芳しくなかった点を鑑みた指揮官の危機意識の表れだったように思う。
対する清水エスパルスは3-4-2-1システムを採用した。また秋葉忠宏監督は大勝した前節の湘南ベルマーレ戦から3人のメンバーを入れ替えた。今季チームトップの4得点をマークしているFW北川航也、変幻自在なアタックを実現化するMF乾貴士、今季すでに2ゴールをマークしてそのドリブルに凄みが出始めているMF松崎快など、今のチームの中軸とも言える前線ユニットを控えに回した意図は何だったのか。いずれにしてもゲーム開始からの両チームの動向が気になる布陣となった。
浦和のプレスワークはミドルゾーンに設定されていた。敵陣で深追いせず、相手3バックには1トップ+両WGの3枚で構え、トップ下は相手ボランチの動向を監視した。清水のシャドーにはダブルボランチ、サイドアタッカーには両SB、そして1トップには両センターバックと、各マーキングも整理されていて。、これまでの幾つかのゲームと比べれば各選手のディフェンスタスクは明確化されていた。特に相手3バックに浦和3トップが対応する構えは相手の対応を難しくさせる好手だったように思う。相手最終ラインのプレッシャーが高まらないと自由なフィード供給を許し、今の浦和の弱点とされる自陣コーナーフラッグ付近、浦和SBの周辺エリアでの局面バトル発生が多々生まれてしまうからだ。ただ、この好循環したミドルプレスワークも渡邊凌磨の得点後には影を潜め、浦和は清水のダイアゴナルフィードに苦しむこととなる。
守備時のマッチアップは定まった。一方で攻撃時にはあえてミスマッチを生じさせて相手守備のギャップを突かなければならない。最も効果的なのはボール奪取からのポジティブトランジションアクションである。できれば敵陣深い位置でそのシチュエーションを発生させたいが、ミドルブロックで構えても十分その機会はうかがえる。そして4分、浦和は相手左ストッパーの住吉ジェラニレショーンが放ったパスをサヴィオがカットして格好のチャンスを得る。サヴィオが追走する相手左サイドアタッカー・吉田豊をワンクションでかわして中央へボールを送ると、それをレシーブしたのは今試合ボランチで先発した渡邊だった。渡邊を監視すべき相手選手は左ボランチのマテウス・ブエノだったが、アクシデント的にトランジションを受けたためにブエノは吉田のカバーリングに回るべくサイド方向にポジションシフトせざるをえなかった。バイタルエリアでスペースを享受した渡邊の左足シュートも見事だったが、浦和の狙い所だった高い位置からのポジティブトランジションが実った良いゴールパターンだったと思う。
【2025Jリーグ第8 節/浦和レッズv清水エスパルス・スターティングメンバー】
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