【島崎英純】2024Jリーグ第1節/サンフレッチェ広島vs浦和レッズ・試合レビュー『敵地で屈して黒星スタート。厳しい船出も、打開策はある』
マンマークは予想できた
ペア=マティアス・ヘグモ監督体制の浦和レッズはサンフレッチェ広島の新スタジアム『エディオンピースウイング広島』で初陣に臨んだ。システムは指揮官の志向が如実に反映された4-1-2-3で、GK、4バック、アンカー、ダブルインサイドハーフ、両ウイング、1トップの各ユニットで織り成されている。また先発に抜擢されたメンバーの大半はチーム始動当初から編成されていた者たちで、十分な準備を施して今季初戦を迎えたと言えるだろう。
ヘグモ監督は各選手の立ち位置を定める。ただし、そのポジショニングは前傾だ。1トップのチアゴ・サンタナはもちろんのこと、両ウイングの関根貴大と松尾佑介は幅を広く取って相手ストッパーとアイソレーション状況を築き、インサイドハーフの伊藤敦樹と小泉佳穂も好戦的に敵陣で構える。GK西川周作からの後方ビルドアップはセンターバックのアレクサンダー・ショルツ&マリウス・ホイブラーテンとアンカーのサミュエル・グスタフソンのトライアングルを幹とし、サイドバックの酒井宏樹と渡邊凌磨もそれに関わってボールを前進させていく。ハイライトは攻撃陣にボールが配給されたときで、果敢な1対1勝負から決定的なシーンに持ち込んでいくのがこのチームの特徴だ。
ヘグモ監督が掲げるスタイルは明確な『ポジション定位型』であり、各所で発生する1対1局面で如何に相手を上回るかで試合の趨勢が変わる。そんな中、前半の浦和はホームの広島が用いた戦略に難儀して劣勢を強いられた。
【2024Jリーグ第1節/サンフレッチェ広島vs浦和レッズ・スターティングメンバー】
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