物足りない受動的アクション。フィジカルゲームで痛恨のドロー【島崎英純】2022Jリーグ第6節/北海道コンサドーレ札幌戦レビュー

©Takehiko Noguchi
攻撃時のミスマッチ、守備時にマッチアップ
浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は4-2-3-1を採用した。これは3-4-2-1の“ミシャ式”を駆使するミハイロ・ペトロヴィッチ監督の北海道コンサドーレ札幌に対してマッチアップをあえて形成しない意図が感じられた。ペトロヴィッチ監督はオールコートマンマークを指示し、特に守備時においては厳格に人数を合わせて敵陣で相手を嵌める戦略を採る。浦和はこのマッチアップ状況を危険視し、できるだけミスマッチを生じさせる手法を採った。
GKの西川周作はショートパスを駆使しつつ、相手がプレスワークを仕掛けた際にはラインを一段飛ばすフィードパスも躊躇なく選択した。これによって札幌の前線プレス網を回避する。一段前でパスレシーブした選手も接近してくる相手マーカーをかわすようにショートバックパスを多用し、後方からフォローしてくる味方へボールを受け流す。如何に厳格なマンマークを敢行する札幌といえども、連鎖する浦和のライン間への“パシージョ”には対応が後手に回る。この間、ダブルボランチの柴戸海と岩尾憲は極力自陣後方でのショートパスワークに参加せずに“一段飛ばしフィード”からのフォローに専念していたように思う。この辺りからも、浦和の明確な相手オールコートマンマーク対策がうかがえる。
また、浦和4バックは中央をパッケージするようにラインを形成して相手3トップとの数的優位を築いた。右から馬渡和彰、アレクサンダー・ショルツ、犬飼智也、大畑歩夢の面々は局面強度を保って対人勝負で勝り、ビルドアップ時には相手プレスの隙間を縫う“パシージョ”パスも通した。攻撃ユニットのキャスパー・ユンカー、江坂任、明本考浩、ダヴィド・モーベルグへのパスは単発感が否めなかったが、それでも試合序盤の入りとしてはリスク管理が施された実のある慎重策だったと思う。
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