3バックで好転。北欧三銃士揃い踏みで快勝!【島崎英純】2022Jリーグ第5節/ジュビロ磐田戦レビュー

©Takehiko Noguchi

犬飼をリベロに抜擢

 リカルド・ロドリゲス監督が用いた現状打開策は3バックと4バックの可変だった。攻撃時の基本システムは3-4-2-1。GKは西川周作。バックラインはリベロに犬飼智也が浦和加入後初先発し、右にアレクサンダー・ショルツ、左に大畑歩夢という重厚な布陣が組まれた。またダブルボランチの岩尾憲と伊藤敦樹もエリアカバー力が高いコンビだ。そして右サイドアタッカーに酒井宏樹、左サイドアタッカーに関根貴大という運動量豊富なプレーヤーを配し、2シャドーの形で江坂任と小泉佳穂が構え、1トップは満を持してFWキャスパー・ユンカーが今季初先発した。

 浦和が実行したシステムチェンジは様々な影響をもたらした。まず後方ビルドアップでは明確な数的優位性を築いた。GKの西川を起点に、基本は犬飼、ショルツ、大畑、岩尾の4人がパスワークに関わり、伊藤がその前方で『パシージョ』のパスを受けるために構えている。また伊藤も相手のプレスワークに反応して柔軟に後方へ降りるが、その際には必ず岩尾が前方へ出るだけでなく、ときにはリベロの犬飼がパスコースを保持するために逆三角形の頂点に立つ前方ポジションを取ったのは印象的だった。

 浦和はこの形からパスレシーバーも確保した。サイドアタッカーの酒井と関根が高い位置を取る中で、シャドーの江坂と小泉が頻繁に自陣中央へ降りて味方からの縦パスを受けた。例えば磐田の囲い込みが厳しくストッパーからサイドアタッカーへ斜めの横パスを入れざるを得ない際もボランチの岩尾、伊藤、そしてシャドーの小泉と江坂が確実にフォローし、酒井や関根はほぼ1タッチで一旦中央へボールを渡して再び敵陣を目指す態勢を取れていた。

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