エースのゴールを守り抜き、川崎に無失点勝利!【島崎英純】2018Jリーグ第19節・川崎フロンターレ戦レビュー

電光石火の先制点

 前節、首位・サンフレッチェ広島との一戦を4-1で制した浦和レッズ。今節はホームの埼玉スタジアムで3位の川崎フロンターレと対峙したが、チームが備えつつある自信が試合開始直後から醸し出され、早くも7分に先制ゴールを挙げる。

 自陣バックラインでのビルドアップから右ストッパーの岩波拓也が前方へ鋭いフィードを繰り出す。相手センターバックの谷口彰悟は岩波が放ったフィードのスピードと角度を見誤ったようで、一瞬前へ出たところで浦和シャドーの武藤雄樹に裏抜けを許す。見事に相手DFを出し抜いた武藤がゴール前へグラウンダークロスを送ると、エース・興梠慎三が落ち着き払った挙動から右足でボールを浮かせ、GKチョン・ソンリョンの牙城を破ってゴールネットにボールを収めた。

 今の浦和はシンプルな縦への攻撃を貫いている。攻撃陣は躊躇なく相手バックラインの裏を突くし、後方の選手は常に味方の動き出しを観察してミドル、ロングパスを発動する。多少無理な形でも縦への仕掛けを厭わず、それが失敗に終わっても巧みなネガティブトランジション(攻撃から守備への転換)で守備ブロックを築き上げる。これは各選手のポジショニングが確立されているからこそ実行できる戦略で、オズワルド・オリヴェイラ監督が訓練を施すチームは安定した攻守バランスを保つことに成功している。

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