【コラム】合宿で確認すべき、指揮官の戦術メカニズム

厳しいトレーニングが待っている

 今季のJ1リーグはロシアワールドカップ開催の影響で変則的なスケジュールを強いられ、春先からリーグ、カップ戦の15連戦を戦ったJ1各チームは多大なダメージを負った中、現在は約1か月間の中断期間に入っている。そんな中、浦和レッズは6月9日のYBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第2戦・ヴァンフォーレ甲府戦で勝利するも第1戦との合計でノックアウトステージへの進出を逃し、今は1週間のオフ期間を過ごし、再始動日となる6月18日からは連日午前午後の2部練習が予定されている。

 フィジカルコーチの経験があるオズワルド・オリヴェイラ監督は鹿島アントラーズを率いていた時代から厳しい練習メニューを組むことに定評があり、今回、浦和の指揮官に就任してからも中断期間に入る前に2部練習を敢行している。指揮官は現チームに所属する選手たちのフィジカルに懸念を覚えたようで、シーズン中でありながらも体力強化は必須と考えたようだ。

 確かに近年の浦和はシーズンイン直後のキャンプ、そしてシーズン中の日々の練習内容負荷が低いという指摘があった。選手の中にはチームの全体練習だけでは体力を維持できないと考えて別の時間に個人練習を積む者もいたほどで、そんな状況を察したオリヴェイラ監督はチームのベース部分を抜本的に改善しようとしている。

 また、チームは6月27日から7月4日まで静岡県静岡市のJステップで強化キャンプを張る。前週に2部練習で身体を追い込むことになるはずなので、キャンプではいよいよ本格的な戦術トレーニングに着手するだろう。オリヴェイラ監督が好むシステムは4-4-2、もしくは今シーズン中に試した4-1-2-3あたりか。これまではチーム事情もあって様々なシステムを採用してきたが、このタイミングで指揮官が理想に掲げる戦術、戦略の浸透を進めるはずだ。そこで今回は、これまでのゲームの中で気になった戦術面のメカニズム、各ポジションの役割などについて考察してみたい。

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