PKでの1失点で敗戦も、新たなるチームの萌芽が見える【島崎英純】2018Jリーグ第13節・鹿島アントラーズ戦レビュー

過密日程を吹き飛ばす高いインテンシティ

 中2日のゲームとは思えないほど、両チームのプレー強度は高かった。

 浦和レッズは3-3-2-2。GK西川周作、3バックは右から遠藤航、マウリシオ・アントニオ、槙野智章。アンカーに青木拓矢、右サイドアタッカー・橋岡大樹、左サイドアタッカー・宇賀神友弥、シャドーの位置にはキャプテンの柏木陽介と長澤和輝、2トップが武藤雄樹と興梠慎三。前節の川崎フロンターレ戦で肩を脱臼したアンドリュー・ナバウトに代わって武藤が入った以外は同じメンバー。川崎戦のプレー内容が良かったことから、オズワルド・オリヴェイラ監督は厳しい日程の中でも極力陣容を代えずに臨んだ。

 一方の鹿島アントラーズは伝統の4-4-2。もしくは4-4-1-1か。GKは2戦連続で曽ヶ端準が務め、4バックは右から西大伍、植田直通、昌子源、安西幸輝。ダブルボランチに三竿健斗とレオ・シルバ、右MF・遠藤康、左MF・永木亮太、最前線に土居聖真と金崎夢生。前節のV・ファーレン長崎戦で鹿島復帰後初アシストを記録した内田篤人、そして中村充孝がベンチ外となり、西や土居が先発のピッチに立った。

 浦和は川崎戦と同様に局面での強さを全面に押し出した。各選手が相手ボールホルダーへ激しく向かい、複数人での囲い込みも積極的。2トップの興梠と武藤は献身的にプレスバックし、柏木と長澤は中盤のあらゆる局面に現れて味方をフォロー。青木は常に中盤中央で構えてスペースを埋め、サイドアタッカーの橋岡と宇賀神もインサイドをケアしながら味方との距離を保った。3バックの守備強度は言うまでもなく、相手2トップの金崎と土居に猛烈なチャージを仕掛けて自由を奪い、緊張感漂うゲームの中で安易に相手へ主導権を渡さなかった。

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