日本代表・浦和レッズ勢の近況

フル出場の槙野は中軸の風格

 現在、国内のリーグ戦、カップ戦は国際Aマッチウィークによって約2週間の中断期間に入っている。浦和レッズとしては開幕から勝利を挙げられていないリーグ戦での巻き返しを図り、今の時期にチーム構築を進めたいところ。しかし、その難しい局面の中で日本代表へDFの槙野智章、宇賀神友弥、遠藤航の3選手が招集され、先ごろ新加入で合流したばかりのアンドリュー・ナバウトもオーストラリア代表に招集されて不在だ。特に槙野、宇賀神、遠藤の3人は今季のリーグ戦で常時スタメン出場していた守備の要であり、チーム戦術のすり合わせや改善を彼らとともに施せないのは痛い。

 3月23日に行われたベルギー・リエージュでのマリ代表との親善試合では槙野がセンターバック、宇賀神が右サイドバックで先発し、試合は1-1のドローで終わった。槙野はコンビを組んだ昌子源(鹿島)と声を掛け合いながらディフェンスリーダーの役目を全うし、その存在感を際立たせた。現在、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)が負傷中で、森重真人(FC東京)が代表に復帰したばかりとあり、槙野にはロシア本選でのスタメン出場も視野に入ってきただけに、この後27日のウクライナ代表戦、そして5月30日のキリンチャレンジカップ・ガーナ代表戦までの強化試合は非常に重要なものになる。

 浦和での槙野は日本代表の役割と同じく4バックのセンターでプレーしている。ただ、リーグ戦ではマウリシオ・アントニオとコンビを組み、4試合すべてで失点しており、課題を残している。

 同じポジションと言えども、代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が槙野に課す役割と浦和の堀孝史監督が任せる職務には差異がある。それを本人がどのように認識して所属チームの戦力として還元させられるか。

 おそらく槙野にとって2018シーズンはプロサッカー人生のハイライトになる年になるはずで、そのプレーパフォーマンスの一挙手一投足に注目が集まるだろう。そして槙野も、今の自身の立場を十分に理解している。おそらく今夏のロシアで先発のピッチに立つ選手として、その自覚が芽生えているように感じるのだ。

 マリ戦で引き分けた翌日、槙野はこんなコメントを残した。

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