【無料掲載】2016YBCルヴァンカップ決勝・ガンバ大阪戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ][監督コメント]
Q PK戦のオーダーはどう決めたのか? 75分過ぎまで李をベンチに置いておいた理由は?
我々は今シーズン、ACLのFCソウル戦でPK戦で敗れました。そのときの反省を今日の試合に反映したのも確かです。あの試合では比較的、誰が蹴るかということに関しては選手の自主性に任せていましたけど、今日の試合は私自身が誰が蹴るかを決めて、PK戦に臨みました。それが勝利につながったのかどうか、それは分からないところがありますが。
なぜ、チュンソンを入れたのかと言えば、我々は0−1で負けていましたので、得点するためには攻撃的なカードを切るというのはノーマルなことです。ズラタン、チュンソン、慎三と相手ゴールに迫れる、危険な、ゴールを奪える選手を起用しました。そしてそれが得点につながり、同点にできました。もちろん、私は逆転を狙うために攻撃的なカードを切りました。
Q 前半は非常に悪かったということだが、ガンバが2週間前と全く違うチームだったことも影響したのか?
まずは、ガンバというチームは素晴らしいチームということです。2週間前にリーグで戦ったときには我々に0−4で負けていて、そのことが相手をより強くして、戦う気持ちにさせたのは間違いないでしょう。毎回、ガンバという強いチームに対して、我々があれだけ上回れることはありません。
もうひとつは、我々は代表チームとの関係で、今週の金曜日に初めて全員が揃う形でトレーニングができました。我々のチームは練習の中で合わせていくことが大切であり、それができない中で今日を迎えたことに影響がなかったわけではありません。
彼らがいない形で勝ち上がってきたルヴァンカップで、我々は今日よりもチームとして素晴らしい戦いで勝ち上がってきました。メディアの方は結果を見て、今日、誰を起用すればよかったかということを判断され、書くと思うのですが、私は試合の前に誰を起用したらいいか、決めなければいけません。
たとえば、今日の試合で負けていたら、なぜ今日、監督はコンディションの良くない代表選手を起用したのか、という見方も出てくるでしょう。また、代表選手をスタメンから外して負けていれば、なぜ代表選手を起用しなかったのか、という質問をされるでしょう。
このルヴァンカップに関しては、我々は優勝に値する戦いがここまでできた大会だったと評価しています。我々は準々決勝、準決勝と4勝し、今日は引き分けの中で最後はPK戦で勝利しました。反対にガンバは、準々決勝では広島と1勝1分、準決勝ではマリノスに2分という状況で勝ち上がってきました。そういう意味で言えば、我々はこの大会の中で、自分たちがカップを手にするだけの戦いをしてきたのではないかと思っています。
最後はPKという形でしたけど、勝つという思いがつながったと思いますし、みなさんが批判しないでいい勝利を得られてよかったと思います。おそらく、今日は代表選手が出て負けたら、そういう質問を用意されていたのではないかと思いますが(笑)。
Q 監督も浦和も、やっとタイトルを獲得できたが、監督はあまりうれしそうではないようだが?
私は昨年のチャンピオンシップの準決勝の戦いが、本当の浦和の戦いの姿だといまだに評価しています。私はこういう監督です。このタイトルを獲る前と獲った後で、私は監督の評価としてベターな監督になったかどうか、個人的には何も変わっていないと思います。
私がこのタイトルを取って非常にうれしいことは、長い間、タイトルを待ちわびていたサポーターのみなさんにこのタイトルを捧げられたことです。そして、これまで非常にがんばって、このタイトルを獲るために戦ってきたチーム、選手たちが、タイトルをとって幸せな気持ちであること、それが最もうれしいことです。
この、ホームである埼玉スタジアムで決勝を戦い、我々がカップを手にしました。このスタジアムの雰囲気、長い間、このタイトルを待ちわびていたサポーターの方々に喜んでもらえる、それが私にとっての一番の喜びです。
私、たとえば浦和でタイトルを取れなくて、解任されたとしましょう。ただ、私はそれでも仕事はもらえるなと、自分自身を評価しています。東京であろうが、福岡であろうが、どこにいても私は必ずいいチームを作って、素晴らしいサッカーをするチームを作れる自信があります。私のサッカーへの愛は非常に深い。ここで浦和で仕事をすることと、あるいは東京で仕事をすることで、私は常に自分が仕事をするクラブを愛し、愛するクラブに全力を注ぐのが私です。
サッカーを愛する気持ち、楽しむ気持ちがなければ、それはサッカーではないと思います。代表チームを見ると、今はメディアで非常に叩かれていますけど、ネガティブなものがチームを取り巻いてしまうと、なかなか成功を掴むことは難しいのではないかと思います。みんなが応援する雰囲気を作ることが、成功につながるのではないかと思います。サッカーを愛する気持ちと、みんながひとつの方向に向かっていくことが、サッカーにおいては非常に大事だと思います。
最初のタイトルを取るのは難しいというふうに言われます。ガンバの監督さんも、以前はシルバーコレクターと言われていましたけど、彼もひとつのタイトルを獲ったところから連続してタイトルを取る監督になりました。私にもそういうことが起こってくれればいいなと思います。
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