【無料掲載】2016Jリーグ2ndステージ第12節・FC東京戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ][監督コメント]

○ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
前半はなかなか自分たちの戦いができませんでした。ボールを後ろから組み立てていく、あるいはボールを運んでいく部分がうまく出せませんでした。選手たちも若干緊張して試合に入ったのか、なかなか組み立てがうまくいかない中で途中で引っかかったり、長いボールを蹴るだけになったりして、自分たちの良さを出せない前半でした。

今日のゲームは非常に湿度が高い中で行われ、選手たちも簡単なゲームではなかったと思います。昨日の会見でもコメントしましたが、1月15日から始動して、ここまでほぼ休みなく活動してきました。特に非常に暑い夏の戦いは選手たちの疲労も思っている以上にあると思います。

前半は0-0で折り返しましたが、選手たちの中には前半は0-0でOKだろうという思いがあったかもしれません。そういう思いが後半の入りの悪さにつながってしまった部分があると思います。浦和レッズは常に勝利が求められる、そういうチームです。以前のマリノス戦では相手を圧倒しながら0-0で引き分けてしまいましたが、決してそれで評価してもらえるチームではないということは分かっています。だからこそ、0-0で折り返して、どこかで1点を取るみたいな戦い方で満足してはいけません。

アウェーでFC東京に3-1で勝利した、その結果を持って、まだ我々の出来が悪いとコメントするのはおそらく多くの監督さんがいる中で私だけかもしれません。後半の早い段階で0-1でリードされてしまいましたが、逆にそれがよかったというのは変な表現かもしれませんが、それで選手たちの目が覚めて、よりリスクを負って、勇気を持って攻撃的の姿勢を取らなければいけないと感じたと思います。0-1でリードされたことが、逆に選手たちに火を付けたと思っています。

今日のゲームは最終的には4点、5点取ってもおかしくないようなシーンを作れていました。私が今日の試合で非常に良かったと思う点は2-1でリードしたあとに、選手たちは決して攻撃の手を緩めることなく3点目、4点目、5点目を取りに行く姿勢を見せたことです。日本のサッカーの中でよくありがちなのは、リードすると終盤になってそのリードを守り切って勝利しようとすることです。私は相手が隙を見せるならば、さらに得点を奪って、さらに叩きのめすような攻撃的な姿勢が日本サッカーの中でもっと必要だと思っていますし、選手にも普段からそういう話しをしていますが、選手たちはそれをピッチの上で表現してくれたと思います。

だいぶ昔のドイツのリーグ戦の試合ですけど、当時ハッペルさんという方が監督で、まだマガトさんが選手だった頃の話ですが、1-0でリードして終盤を迎えて、相手選手がストッパーに代えてFWを入れて攻撃的に出てきました。それに対して、こちらはFWに代えてストッパーを入れようという話しを監督に言いにいきました。するとハッペル監督は分かったと言って、その時監督はDFの選手を一人代えて攻撃的な選手を入れました。その交代の後にチームは2点目、3点目、4点目を取って勝利したという試合が過去にありました。そういった試合を見て、自分の中で勉強になったことがありました。

これは考え方ですが、相手が点を取らなければいけない、人数をかけてリスクを負って攻撃を仕掛けてくる中で、それを守ろうと受けに回ってしまったら、時間の経過と共にその圧力にやられてしまうこともあると思います。相手が人数をかけて攻めてくれば、逆にスペースは空いてくるので、そこに攻撃的な選手を入れれば、相手が守備的な戦い方をしている時よりも得点しやすいでしょう。それも一つの考え方です。日本はリードしたら守り切るという考え方が多いですが、逆に攻撃的なカードを切って攻めに転じるというのも、一つの考え方としてあってもいいのではないかと思います。

まとめますと、前半はいい出来ではなかったですが、後半はリードされた中で選手たちは目を覚ましたのか、しっかりと自分たちの戦い方を勇気を持って表現してくれました。最後は我々が勝利に値するゲームができたと思います。

前半と後半で違いのあった今日のゲームでしたが、その中でも勝利できたことは良かったですし、その違いを自分たちで見れたことは良かったと思います。次は広島、ガンバと重要な試合が続くので、そういうゲームの中で自分たちのいい時間帯が長く続くようにチャレンジしながら戦っていきたいです。長かったですか(笑)。

Q 後半は時間が経つごとに攻撃のスピードが上がっていくように見えたが、どこに原因があったと思うか?

サッカーはよくメンタルスポーツだと言われます。選手たちは前半、慎重なゲーム運びを考えて戦ったと思います。なかなかリスクを冒せない、あるいは狙いとするものが出せない前半だったと見ています。ただ、後半に入って0-1でリードされた中で、今度は自分たちが勇気を持って得点しにいかなければいけない中で、選手たちの気持ちの中にあるリミッターが外れたと思います。

0-0で試合が進む中で、どこかで1点取って勝とうという頭があったと思いますが、それは自分たちのプレーに若干ブレーキをかける、慎重になる、そういう前半でした。後半は逆にそういった部分が外れて、自分たちがいかなければいけない状況の中で、本来の自分たちのプレーが出せたと思います。

Jリーグの中でたまに見られるシーンですが、あるチームがリードしていて、相手がリスクを負って攻めてきて、ボールを奪ってカウンターに行くシーンの中で、ゴールに向かって行けば得点になる可能性が高い状況なのに、コーナーフラッグ目掛けてボールを運び、そこでボールをキープして時間を使うことがよくあります。

私は、そういう場面では2点目を取りにいく、相手の息の根を止めることが必要だと思っています。ワールドカップでドイツはブラジルから7点を取りましたが、取れるのであれば、とことん取って相手を叩きのめすような強いメンタリティーが我々には必要です。

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