【島崎英純】2014シーズン浦和レッズ総括7(2014/12/27)
あまりに痛かった興梠の離脱
Jリーグ第30節、リーグ優勝を狙うライバルである鹿島アントラーズとのアウェー戦はカイオのゴールで先制された浦和が李忠成のゴールで追いつきドローに持ち込んだ。残り4試合で勝ち点7差となった鹿島は優勝争いから一歩後退し、首位の浦和は着々と戴冠への道のりを歩んでいた。しかし浦和はこの鹿島戦で最重要選手を失ってしまう。エースFW・興梠慎三が試合終了間際に相手DFと接触して右足を腓骨骨折してしまったのだ。顔を歪めながら担架で運ばれる姿はダメージの大きさを物語ったが、興梠本人よりもチーム全体に与えた衝撃の方が大きかった。
1トップのポジションで攻撃を司る興梠の働きは出色だった。相手DFと局面バトルを演じ、抜群のスキルで前線起点になる。興梠はスペースへの抜け出しも献身的にこなすし、相手守備網の急所を突いてゴールゲットする能力も高い。興梠の力はミハイロ・ペトロヴィッチ監督のサッカースタイルを実践する上で欠かせないものであり、それは指揮官、チームメイトの全員が認識する共通理解だった。リーグ優勝の正念場となるラスト4ゲームを興梠不在で戦う。これがどれだけチームにとってハンディになるのか。試合を戦う前から覚悟が必要だった。
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