【島崎英純】2012Jリーグ第18節・新潟戦レビュー(2012/7/15)

新潟の徹底した6バック

厳しいゲームだった。気温こそ24.9度と夜になって若干下がったが、湿度は82%と蒸し暑い状態が続いた。天気予報では降雨の中の一戦になる可能性もあったが、それは免れた。しかし双方出入りの激しいカウンター合戦になって体力を消耗するタフゲームになった。ただ、この戦いに持ち込まれたのはホーム・アルビレックス新潟の戦略に依るものが多々あったように思う。

事前のスカウティング通り、新潟は浦和のインサイドハーフの柏木陽介とマルシオ・リシャルデスを徹底マークしてきた。鈴木啓太曰く「ガチガチのマンマーク」である。
三門雄大と本間勲のダブルボランチはマーカーを一切離さずに執拗に付いて回った。マルシオと柏木は攻撃時に前線で1トップの原口元気と横並びになるように並ぶが、三門と本間は味方バックラインにまで入り込んでそのマークに付いていた。浦和はサイドアタッカーの梅崎司と平川忠亮も前線に張り出して5トップを形成するが、新潟はそれに対して4バック+ダブルボランチで6バックを形成する念の入れようだったのである。
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は試合後に「柳下監督は磐田を率いていた時代にも広島に対して6バックを採用していた」と述べたが、新潟は黒崎久志監督が率いて戦った前回の浦和との対戦でも後半からダブルボランチがインサイドハーフを徹底ケアする6バックを採用している。

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