【島崎英純】日々雑感-私信(2011/12/8)
あなたとの最初の出会い
あなたに初めて会ったのは9年前。2002年の初めのことでした。
正直、正確な日付は覚えていません。どんなシチュエーションだったのかも。多分、君はヒラやツボ、ミカや山根くんと一緒に新加入会見に臨んで、その場で僕らに挨拶をしたのでしょう。
生粋の浦和っ子で、名門・浦和市立高校出身だから、馴染みの地元記者の方々からは「聖くん」と呼ばれていましたね。そんな時、君は決まって照れくさそうな顔をして、両手を前に結んでお辞儀をしていたような気がします。
加入初年度は本当に苦労をしましたね。あなたが浦和レッズに加入した年の指揮官はハンス・オフトでしたが、オフトは急きょシーズン初頭のキャンプに「全員は連れて行かない」と行って、君やミカ、山根くんら数人を置いて九州に行ってしまいました。その時の様子を、君は笑い話のように話してくれましたね。
「選手だけじゃなくて、コーチングスタッフもトレーナーやクラブスタッフまで、現場に携わる人たち全員が鹿児島に行ってしまったので、僕らはポツーンと自主練習。しかも、大原は使えなくて、今のレッズランドがある荒川河川敷の東京農業大学のグラウンドを借りて自主練してたなぁ。同期のヒラやツボはキャンプのメンバーにすぐに抜擢されて鹿児島に行ってしまったから、いきなり差を感じたりして。まあ、今になると懐かしい思い出ですけども」
オフトには酷い仕打ちに遭い、その後も監督からはほとんど起用されなかったけれど、君は絶対に人のことを悪く言わないから、愚痴は一切漏らさなかった。だから僕らは、君が経験した大変な苦労も、「たいしたことはなかったんだね」と錯覚してしまうんだ。本当はうんと大変だったのに。
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