【島崎英純】2011ナビスコカップ2回戦第1戦・大宮戦・レビュー(2011/9/15)

エスクデロが勝利の立役者に

選手の気迫が感じられたのは光明だった。浦和レッズの試合内容は決して良かったわけではないが、ピッチに立った選手たちはそれぞれに責任を持ち、今やれることを全力でこなしていたように思う。

エスクデロ・セルヒオの1トップは、これまでの停滞した戦い方を一変させる動機になった。エスクデロは常に相手バックライン裏を狙う意識を貫いていたし、ボール保持すると強引なドリブルながらも、それによって味方がフォローする時間を作り上げるなど、これまでの浦和FW陣ができなかったタスクを十二分に果たしてくれた。原口元気や山田直輝、マルシオ・リシャルデスがいつもよりプレーエリアを広げ、ボールタッチの回数を高められたのも1トップ・エスクデロの働きに依るところが大きい。惜しむらくはエスクデロのシュート精度が低かったことだが、マルシオのパスを受けてペナルティエリア内で倒されPKをゲットしてもいるので、この日の勝利の立役者に彼を推してもいいのではないか。

一方で、この日の浦和はそれほどバックラインを強烈に押し上げなかった。それは相手の大宮アルディージャが潔いくらいに浦和のバックライン裏へボールを供給していたために自陣に下がらざるを得ないシーンが続いたからだ。だが、浦和のバックラインはこれまでと異なり落ち着いていて、相手が裏へボールを蹴っているのに無闇にラインを上げることをしなかった。

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