【FUKUDA’S EYE】Jリーグ第17節・アビスパ福岡戦プレビュー(2011/6/21)

アグレッシブに来るアビスパ福岡

福岡は、非常にアグレッシブにサッカーをしてくるチームだ。どの部分が積極的かというと、自分達のボールを繋ぎながら人数をかけて攻めて来るし、サイドバックが積極的にオーバーラップを仕掛けてきて、攻撃のときは必ず3、4人がゴール前に入ってくる。守ってカウンターをしよう、というよりは、積極的に高い位置でボールを奪って、全員がハイプレッシャー、ハイテンポなサッカーを展開し、最初から飛ばしてくる。その中で、ボールを奪ってチャンスはたくさん作っているけれども、残念なことに選手のクオリティーが全体的に少しずつ落ちる。質の問題があることも含めて、奪えている得点の多くがサッカー的にいうと、“事故”のような形で生まれている。攻撃には非常に勢いがあるし、クロスに対して凄い勢いで突っ込んできたり、シュートを思いっきり打つから、相手に当たって入ってしまったりする。逆に言うと、そういう事故のような得点が生まれやすい、勢いのあるサッカーをしている。

その分、ハイテンポなサッカーをしているので、先制点を奪ったとしても、逆転された試合が3つもあるのはJの中で福岡だけだ。最初から飛ばしすぎて、息切れを起こしてしまっているのが、ひとつの要因だと言えるだろう。決して、試合内容だけを見れば、負けるような試合はしていないのだけれども、それだけでは勝てないのがサッカーというスポーツだ。福岡の戦いは、リズムがずっと一定で、相手にボールを持たせて休む、というようなことが出来ない。試合巧者ではない。もの凄く一生懸命やっているし、ある意味、真正直にサッカーをやっている。精一杯、みんながハードワークをして、そこでボールを奪って早く攻めてくる。観ている側にとっては、心を打たれるような試合が多いと思う。

福岡はそんなに簡単な相手ではない。僕は危険だと思う。これまでの浦和を振り返れば明らかなとおり、勝ち点を取れていないチームに対して、勝利をプレゼントしてきた歴史がある。福岡は開き直って戦ってくるだろうから、変なプレッシャーを受けることなく挑んでくるだろう。逆に浦和は福岡に負けるようなことがあると普通の感覚ではいられないだろうし、非常に強いプレッシャーの掛かる試合になる。

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