「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

若手の力で殻を突き破った勝点3/【レビュー】J1第8節 鹿島対京都

攻めても攻めてもゴールネットを揺らすことができなかった。濃野公人のハーフボレーがクロスバーを叩き、鈴木優磨のチャヴリッチの鋭い反転シュートがク・ソンユンがわずかに触れたことでポストに弾かれる。それ以外にも多くの決定機がありながらゴールが生まれないとき、スコアレスで終わるのはサッカーの試合ではよくあることだ。

同僚記者の何人かは、すでに同点で終わったときの原稿を書き始めていたと聞く。しかし、3試合連続無得点に終わりそうな苦しい状況をこじ開けたのは、FWでもMFでもなく、右SBで先発を続けてきた大卒ルーキー。

不思議なものだ。試合前々日の練習取材で、次のゴールが記念すべきクラブのJ1通算1,800得点となることを、なぜか濃野公人にだけ振っていたのだ。

「はい、なにかで知りました。決めます!」

笑顔を浮かべながら元気よく答えていた濃野が、本当にゴールを決めてしまった。

 

 

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