上田綺世の決勝点で5連勝を達成し首位に立つ/【レビュー】明治安田J1第7節 アビスパ福岡対鹿島アントラーズ
会見場の机の下から奈良竜樹のつま先がのぞいていた。足の裏をピッタリ地面に着けるのではなく、踵だけ着いているので浮いたつま先は天井を向いていた。
「役割分担がはっきりしすぎたかもしれない」
試合を通じて奈良は鈴木優磨とのバトルを繰り返した。自ずともう一人のCBである宮大樹は上田綺世を担当する。得点の場面も上田をマークしていたのは宮。しかし、その脇を和泉竜司が駆け抜けた。
「宮は裏に流れる選手を気にして、上田選手への寄せが遅くなったかもしれません」
僕がもう少し早く寄せて宮を助けてあげられれば…。奈良は自身の判断を悔いていた。
上田綺世と鈴木優磨。この2トップが持つ能力はJリーグ全てのチームが認識し始めたことだろう。彼らをフリーにしてはいけない。どのチームもそれはわかっているはずだ。しかし、あの距離からゴールを決めてくるFWとの対戦はどれだけあるだろうか。
上田がシュートを乱発していれば試合を進める中で間合いを掴めたかもしれない。ところが、その機会はなかなか来なかった。
「前半からラインが低かった感覚はあったので背後を狙いながら足元で受けて、どこかで足を振れればなというのはずっと狙っていたんですけど、なかなかそのタイミングがありませんでした」
チャンスは一度切り。それを上田綺世はきっちり沈めた。
これでチームは5連勝。2019年以来となる単独首位に立った。
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