どうすれば相手を動かせるのか。攻守に見られた判断の重要な変更/【レビュー】明治安田生命J1リーグ第15節 セレッソ大阪戦
前半と後半でガラリと内容が変わってしまうことはサッカーにおいてよくあることだ。ハーフタイムというまとまった時間を利用して、前半45分でまとまらなかった戦い方を整理し、残りの45分に臨むことで劇的な変化が起きる。まったくいいところがなかったチームは蘇り、相手を圧倒する戦いを見せるのだ。
セレッソ大阪は、予想したとおり非常に難敵だった。ボランチが最終ラインに落ちて3バックを形成し両SBを高い位置に押し上げる形は、サイドで優位性を保ちやすく、高い位置からプレスをはめるには鹿島のSHが長い距離を走らなければならない。意図的につくり出されたその距離は、ビルドアップを成功させるために必要な時間的余裕を生む。
「前半は間延びしすぎてて。前から行ってるけど中盤と前に距離があったし、中盤とディフェンスの距離もあった。ほんとになかなかはまらなかった」(土居聖真)
鹿島がほぼマンツーマンになってプレスをかける形を逆手に取られ、引き出されてはその背後のスペースを使われる連続。プレスをかけて相手を制限するはずが、ボールの動きに対しても相手選手の動きに対しても後から追いかける形にさせられ、守備陣形は完全に崩されていった。
サイドからの際どいクロス、ブロックをうまく使ったセットプレー、SBの背後を狙ったスルーパス。際どい場面を何度となくつくられたが、クォン・スンテの奮戦もありシュート9本を放たれた前半を0失点で折り返す。しかし、ベンチに引き上げるスンテがチョン・スンヒョンに激しく問いかける場面が象徴するように、チームはうまくまわっていなかった。
ところが後半にチームは見事に蘇ったのである。ポイントになったのは”相手をよく見ること”だった。
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