「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

拙い試合運びが続く理由とは?/【レビュー】AFCチャンピオンズリーグ2019 ジョホール戦

 敵将のベンハミン・モラが喜びを爆発させていた。ピッチにはジョホールの選手たちがピッチに突っ伏して勝利を噛みしめていた。AFCチャンピオンズリーグでの初勝利をディフェンディングチャンピオンから奪ったのである。彼らにしてみればすばらしい瞬間だったことだろう。

 ただ、相手の歓喜が大きければ大きいほど、こちらの失望は深くなる。伊藤翔がチャンスを外し続けたとはいえ、試合を通じて鹿島が相手を敵陣に釘付けにするようなボールを握り続ける時間はほとんどつくれなかった。相手のCBである#7アイディル・ザフアンが脚を痛めたことは、そのきっかけとなりそうな出来事だったが、それも生かすことはできなかった。

 山東魯能が逆転勝利をおさめたため慶南FCが勝点を伸ばせず鹿島は2位をキープできた。最終節は引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まるため、まだまだ突破の可能性は十分に濃い。最後はすでに1位を確定させた山東。彼らがメンバーを落としてくれるなら、それほどやりづらい相手ではないだろう。

 とはいえ、ここまで拙い試合運びが続くのは何故なのだろうか。

 

 

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