【無料公開】「第5回新スタジアム整備協議会」実施後、ブラウブリッツ秋田 岩瀬浩介代表 囲み取材全文
秋田市役所で10月5日、「第5回スタジアム整備協議会」が開かれました。出席者は秋田県スポーツ振興課、秋田市スポーツ振興課、秋田市まちづくり戦略室、株式会社ブラウブリッツ秋田、イオンタウン株式会社。
非公開で行われた約1時間の協議会を終え、ブラウブリッツ秋田の岩瀬浩介代表による囲み取材の内容を掲載します。スタジアム整備に関する議論の現状を、すべてではないにしても、知ることができると思います。
–協議会の内容、方向性について。
まずは、今回5回目の協議会という形で、4回にわたり、それ以外にも県と市の皆さまにはですね、本当にそれぞれいろんな形で頑張っていただいて、今回こうして来年度のライセンスが取れたので、まずはそのお礼からスタートさせていただきました。
その後、今回主だったところで申し上げますと、知事からもあのような形で、北側の部分で軟弱地盤であったり、その後の試合であったりといった部分も含めて、いろんなご助言をいただいたなかで、クラブといたしましても、また穂積市長もこの間の議会で、あらゆる可能性を否定しないで検討していくという、候補地のお話があったと思います。
それを踏まえてわれわれとしても、これまでは全天候という形で、365日誰もがいろんな形でイベントなども使えるような形をイオン様とともに提案をしてまいりましたけれども、より本当に現実的に落とし込んだ形で、知事の言葉をお借りすると金沢スペックというお話がございましたけれども、そのスペックの形で、候補地といった部分に関しても、今回正式に市のほうに、卸売市場の跡地といいますか、余剰地といった部分で正式なご検討をお願いをした形でございます。
–スタジアムの場所は固まったのでしょうか。
いや、そこはまずは一旦、外旭川基本計画といったものでは北側でというところがあったと思いますので、今回私たちから正式に卸売市場で、今後持ち帰っていただいて検討をしていただきましょうという形です。
–提案に対するリアクションについて。
議会でも市長もあのように答弁しておりましたので、一度正式にこれで持ち帰って検討していきますということでお話をいただきました。
–事業主体の方向性について。
公設という言葉が1人歩きしてしまうと、皆さんから見ると、全部が全部、行政の負担になるのかっていうような県民の皆さまが認識を持たれるかと思いますので。官民連携でという言葉を私からはお願いしたというか、そういった形で進めていきたいと。それはこれまでと何ら変わらずという形になりますので、その辺の事業スキーム、事業主体といった部分も、これから具体的なところに入っていければなと思っています。
–卸売市場の余剰地の活用の場合は完成まで時間がかかると思いますが、そのことをどのように受け止めていますか。
今日の協議会の冒頭に皆さんで共有しておきたい部分。大前提は、リーグからもご指摘をいただいている2026年の着工といった部分はまずは皆さんでターゲットに置いて、そこをゴールにするためにどうしたらいいかということを、これから話し合って進めていきましょうというお話をさせていただきました。
–余剰地活用の時間が早まる可能性はありますか。
いまはまだやり方の部分で、卸売市場がローリング方式というやり方で、時間が非常にかかる整備の仕方だと思うんですけれども、その整備の仕方も、あらゆる可能性をわれわれからも、提案をしていきたいと思います。市としても2026年の着工に向けて検討いただけるというような話だったので、(いま)出ている基本の計画をまずはどのようにしたら早くできるかを話し合いできればと思ってます。
–岩瀬社長は余剰地を活用し、かつ2026年着工の前提で進めていきたいということでしょうか。
そうですね。はい。
–佐竹知事が市と共同で整備する可能性もあり得ると発言されたことについて。
非常にありがたいお言葉なのかなと受け止めております。公設民営というようなお話であったり、県と市とともにといった部分であったり、いずれにせよ、やはりこれは民間の力も必要になってくるかなと思ってます。
それこそ潟上市で私たちが進めております練習場の整備、企業版ふるさと納税のスキームを使わせていただいておりますけども、いろんな手法で民間の知恵、知識そして資金も導入させていただきながら、本当に官民一体となって、秋田一体となってスタジアム整備を連係しながら進めていければなと思っております。
–市場関係者の了解をどのように得ていくのでしょうか。
もちろん市場の整備が最優先になってくると思います。スタジアム整備するから市場が遅れるということは、私はあってはならないと思いますので。同時進行でできるような計画を立てていく必要があると思っています。
–全天候にはこだわらないのでしょうか。
官民連携でやったときに、例えばですよ、アラブの大富豪が「出してやろう」というような形になったとき、いろいろたくさんのお金が集まったときにはその可能性があると思います。
まずスタート段階では、金沢スペックでスタートしていこう、検討していこうというような形です。
–全天候にはこだわらないと。
こだわらないですね。そう捉えていただいています。
–J1の基準を満たす15,000人の規模で計画を進めているのでしょうか。
ひとつ私から、皆さまちょっとお願いがあるのは、外旭川のまちづくり基本構想が基本計画という言葉があります。もうひとつ、地域未来投資促進法の基本計画というものがあって、スタジアムの基本計画という形で皆さんがどんどん報道しちゃうと、まちづくり全体の基本計画が変わるんじゃないかという誤解を生むと思うので、これを機に、先ほど協議会でもあったんですけど、スタジアムの整備計画という名前に直して表現いただいきたいなと思っております。
いまの質問に回答すると、いまリーグも、われわれも、ずっとずっと5年前からリーグのクラブライセンス精度に対して、特にスタジアムに関しては、地方のあるべきスタジアムの姿というものが絶対にあると主張してまいりました。
たとえばこの人口減少のなかで、果たして秋田に15,000人スペックのスタジアムが本当に必要かどうかをずっとお話をさせていただいて、いまリーグとしては、今シーズンまた来シーズンあたりには、ライセンスの緩和もご検討いただいておりますので。特にその人数の部分ですね。
今回金沢さんなんかは10,000人収容で、15,000人に増設できるような形でJ1ライセンスを取っておりますので、そういった緩和は十二分に具体的なものが出てくるかなと思っております。まずは私たちも収容1万人という形で進めてまいりたいと思っています。
–市場跡地のスタジアム整備の検討に対するイオンタウンの反応について。
「一体となった」ところを基本に置いてますので、それがちょっと離れた場所ではない、本当に併設した形になるので。十分に相乗効果が図れると認識をいただいております。決して、そっち(市場跡地)にスタジアムが行ったからといって、この構想に対して否定的になってるかというと、ぜんぜんそんなことはないと受け止めております。
–市場跡地で検討というのは、地域未来投資促進法の枠でやるのでしょうか。
それがたぶん、いままでの計画なのかなと思ってます。その計画から今回は、われわれが違う形、市場の余剰地での案を出させていただきました。法の適応する申請を目指して、その枠は変わらないです。そこにスタジアムが入るか否か、まちづくり懇話会が11月8日にございますので、そこで対外的には、スタジアムの整備計画も一旦出てくる形になるかなと思っております。
–市場の余剰地にすることでクラブ側にどんなメリットがあるのでしょうか。
施設管理をいただけた場合の話になりますけれども、事業主体になった場合、まずは造成費であったり地代、また私有地になりますので、固定資産の話が出てくると思いますけれども、そういった大きなメリットがあることも踏まえて、総合的に考えて、われわれは今回そういったご提案をさせていただいて、検討していただく形になりました。
–市場の余剰地には住宅がかなりありますが、その配慮について。
実際に地図に落とし込んでみますと、住居地区との距離は、北側の住居地区との距離がたしか200mくらいですね。横金線の上のほうになるとしても、市場側の住居地区との距離と同じぐらいの距離になりますので、これまでと変わらない対応になってくるかなと思いますけれども、ていねいなご説明は必要になってくると思っています。
–市場の再整備にかかる時間がネックになり、2026年に間に合わない場合はどうなるのでしょうか。
ここの部分に妥協はないのかなと思ってます。以前私から会見させていただいたとおり、最初にライセンス申請を出したタイミングの意向表明からすでに5年に経って、そのなかでもこの整備計画が立てられていない現状で、今回本当にギリギリでライセンスを付与いただいたと思っております。
またご存知のとおり、条件付きで、逐一ヒアリングが入ってまいりますので、そこはもうマストだと感じております。本当にわれわれとしても、県と市と共有させていただいたのは、2026年は絶対なんだということを踏まえて、今回卸売市場の余剰地と言っているので。どのようにしたらそれに間に合うのかといった部分をまずは検討いただくと。われわれとしても、もちろんそこに対してのご提案もさせていただこうかと思っております。
あともうひとつ、ポジティブな話というか。今回の協議会のなかでも、この協議会はこれまで4回行われて、今月も随時行っていくんですけども、県と市の方々、もっともっとこれ以外のところでも事務方レベルでもうちょっとコミュニケーションを密に取って、スピードアップできるようにやっていきましょうと前向きな言葉もいただきましたので。まずは11月の素案で、しっかりとしたものが反映できるように、われわれとしても努力をしてまいりたい思っております。
取材:竹内松裕