秋田サッカーレポート

【無料公開】ブラウブリッツ秋田「J1クラブライセンス交付に伴う記者会見」における質疑応答全文

 

ブラウブリッツ秋田が9月27日、ASPスタジアムでJ1クラブライセンスの交付に関する記者会見を開きました。岩瀬浩介代表の説明は下記リンク先のクラブ公式サイトに掲載しているので、本記事ではメディアによる質疑応答を掲載します。回答者はすべて岩瀬代表です。

 

 

–2点あります。活動計画の提出期限の11月末までにブラウブリッツ秋田としてどのようなアクションをするのでしょうか。今年度中に策定できるという実現可能性についてもう少し補足して説明をお願いしたいです。

まず1点目の11月までの活動計画に関しましては、先ほど申し上げたように11月には基本計画の素案が出てまいりますので、それを軸にした活動計画といったものをリーグの事務局にはお示ししたいなと思っております。

2点目のご質問、素案に関して言いますと、やはり規模であったり予算であったり、資金スキームであったりといった部分で、より具体的なところが入ってくるのかなと思っております。

2月の(市)議会にかけるという形になりますので、具体的なものをしっかりとお示しできるよう、われわれも県と市と連係して詰めていきたいなと思っております。

その実現性は、素案が作られて、基本計画を。特にJリーグに対してというわけではなく、これまでのスケジュールにのっとって、市のまちづくりスケジュールにのっとった形のスケジュールでございますので、それをよりしっかりと具体性を持たせる、実現性を持たせるといったことが、ここからの数ヶ月の我々の仕事にもなってくるのかなと思いますし、ここも先ほどから申し上げているように、県と市としっかりと連係を図ってやってまいりたいなと思ってます。
(ここまでNHK質問)

 

–不交付の可能性もあったなかで、ライセンスが交付されたことについて、岩瀬社長の気持ちを聞かせてください。

本当に正直に申し上げると、ホッとしてます。と同時に、やはり危機感といったものも引き続き抱いているといった状況です。

あとそれと同時に、やはりコロナが明けて、先ほど申し上げたように、Jリーグというものがこの地域の活性化の起爆剤になるんだなということをも実感しておりますので。是が非でもこのJ1ライセンスをしっかりと取得して、J2での安定的な活動、そしてJ1を目指せるクラブになるということが秋田の活性化につながっていくと、われわれのクラブの意義、存在価値が示せるんじゃないかなと思っておりますので。

まずは安堵の気持ちと、そして、新スタジアムに向けては、今後の秋田の未来という部分を明るくするためにも、やらなければいけないという強い思いでおります。

 

–今回のJリーグからの意見がスタジアムに向けての動きを加速させていくでしょうか。

ならないといけないんじゃないかなと思ってます。理事からもご指摘あったとおり、(最初のJ2ライセンス申請を)出してからの5年間の進捗でいうと、全国的に見てもあまり思わしくないというご指摘もいただいております。

当初から考えれば相当な時間が経っているなと思ってますし、検討協議会ですとか、構想策定協議会ですとか、いろいろ最初は県を中心に、そして市を中心にやっていただいておりました。少なからずというか、数千万という、そこには公費を投じて調査が行われてこれまで議論をしてまいりましたので。しっかりと進めていかなければならないなと思っております。
(ここまでABS質問)

 

–県のトップが疑義を呈していますが、ブラウブリッツ秋田としては外旭川のまちづくり計画の中でスタジアム整備を進めるスタンスは変わらないでしょうか。

はい。そうですね。

 

–スタジアムの規模、予算、事業主体、民設民営などの議論の現状について。

民設民営であったり公設民営であったりという議論も、県と市と協議をしていくところではございますけども、われわれクラブといたしましては、前回皆さまには協議会の後に資料をお示ししたとおり、これだけ多くの方々、サッカー以外でも多くの利用がされることを踏まえて考えると、これは公共施設だと、言ってみたら公共施設以上の価値を見出せるものだとクラブとしては認識しておりますので。

その後の維持管理であったり、固定資産の部分であったり、民地になるのか、私有地になるのか、自治体の土地になるのかも踏まえて考えたときに、われわれとしては、公設民営で、官民連係でやっていくことが望ましいのではないかなと感じております。

 

–そうしたことが基本計画に盛り込まれるかどうかはこれからでしょうか。

そうですね。

 

–特例措置のなかで練習場があり、クラブハウスが整えば要件を満たすことになると思いますが、その進捗について。

ようやく「グリーンサムの杜」の中で、総事業費2.5億、1億でグラウンドを作らせていただきました。選手の怪我に関しても激減しております。
今日はそこの健康広場で(練習を)やらせていただいておりますけど、人工芝の回数が過去で申し上げますと年間で50回近く(練習を)やっていたなかで、選手たちは本当にストレスを抱えてやっておりました。それが一気に軽減したことによって、選手のパフォーマンスといったものも上がってきてるんじゃないかと実感しております。

総事業費2.5億、残り1.5億でクラブハウス建築に向けて動いております。多くの方々、企業の皆さまに、この企業版ふるさと納税という形でご支援をいただいております。われわれとしても本当に多額の資金を投じてクラブハウス、練習場を作らせていただくので、ベスト(なもの)を築いていきたいなということで、実は「グリーンサムの杜」内の敷地の部分で、時間の調整を要しておりましたが、ようやく着地して、本当ベストな位置にクラブハウスも決定して、ようやく設計も出来上がりましたので、すぐに開発許可を取ってやっていくという流れになります。

着工がいつになるか、開発許可がどのぐらいで下りるかによりますけども、間違いなく夏前ぐらいにはまでには確実にできるものにはなりますので。あと資材高騰等で2.5億の総事業費もかなり上がるであろうなということも予想されております。

個人の方からも結構問い合わせをいただいております。個人として寄付をしたいんだと。ただ今回企業版ふるさと納税という形を取らせていただいておりますので。今後は個人向けのクラウドファンディングも来春ぐらいにはスタートさせて、より充実したクラブハウスを作れればなと思っておりますので。その辺は来年にはクリアできる課題かなというところです。

 

–なかなか勝てていませんが、トップチームの現状について。

実は今日、選手たちにも話をしてまいりました。ちょうど昨日、一昨日オフだったものですから、昨日、グループLINEで全員に、社員含めてアカデミースタッフ全員に報告はしたんですけれども、先ほど練習の前に選手たちにも話をしに行きました。そこで話したのは、まったく悲観すべき内容ではないと。試合後、サポーターの皆さまにご挨拶に行った際に掛けていただいている言葉、そして次の試合に向けた期待感、そういったものをしっかりわれわれは見せられているということを、選手たちには話しました。

ただプロとして、あともう一歩のところ、ちょっとのところを、ここから先の試合、しっかりと県民の皆さまにお示しして、笑顔を創出できるように頑張っていこうということで話しました。まったくもって悲観すべき内容でもないですし、J2に上がってからの3年間考えても、間違いなくチーム、クラブは成長を遂げているなと感じておりますので。

芝生(の練習場)ができて、そしてクラブハウスができるという形になると、今度はリクルーティング、選手の強化といった部分で、いい選手を連れてこられるといったところもプラスになっていくかなと思いますので、着々とJ2並って言ったらちょっとアレですけど、J2並のクラブにはしっかりとなっている、そしてJ1を目指せるクラブには、一歩まではいかないですけど、半歩ずつでも前に進んでいるかなと実感をしております。
(ここまで秋田魁新報質問)

 

–来季のライセンス審査も厳しくなると思われますが、小規模なものも含めて、ソユースタジアムの改修はまったくないのでしょうか。

はい。ありません。ただ1点だけ気にしておりますのは、とてつもなくトイレが古いんですよね。われわれが使用しなくても、陸上競技の方々であったり、いまで言うと小中学校、高校もですか、運動会や陸上大会がやられてたりしますので。われわれそれを自治体に対して訴えることというのは、その後の利活用といった部分も含めて大切なことかなと思いますので、トイレだけは何とか直していただきたいなっていうのは正直ございます。

アウェイのお客さん。この間も山形戦でいうと2,200名ですかね。清水のサポーターも700名近く来ていただいております。もちろんわれわれは仮トイレという形で、自分たちの費用でご用意をさせていただいておりますが、日常的なことを考えると、建設してから何もいじってないトイレなのかなと思うぐらい、本当に夜は不気味ですし、日中でも非常に暗いので、安全面からしても問題あるんじゃないかなと思いますので。スポーツ界といった広い括りを考えても、その辺に関しては、改修すべき点でもあるのかなと感じております。

 

–ともに歩みを進めていくなかで、県と市に対する要望があれば。

要望といいますか、コミュニケーションをいましっかり取っております。県と市と連係しながら、より秋田にとっていいものを作っていきたいなと思いますので。あとはこれから、佐竹知事が金沢スペックというお言葉を何度か出しましたけれども、われわれも10月1週目には金沢戦が控えておりますので、そこで見れるか見れないかは別として、いずれにせよ、近々視察には伺いたいなと思っております。
(ここまで読売新聞質問)

 

–ソユースタジアムについて。トイレや屋根のことなどについて、一旦改修を進めていくことは考えているのでしょうか。

一切ありません。相当な大規模改修になってくると思いますし、誰も幸せになれないんではないかなと感じております。

現に我々いま、このASPスタジアム、元あきぎんスタジアムでJ3の試合をやらせていただいておりました。お客さんからしてみても、プレーヤーからしてみても、このフットボール専用でやるということは、フットボールそのものの魅力をしっかりと発信できるものにもなっておりました。そういったなかで、リーグの規定に則ってJ2昇格を見据えたときに、暫定的であるものの、あちら(ソユースタジアム)に移らざるを得ない状況ではございました。
いま陸上競技場で何とかやらせていただいておりますけども、本来であればもっともっとわれわれ選手のひたむきな表情ですとか、ぶつかってる音ですとか、そういった臨場感、一体感といったものが創出できるものが、やはりフットボールの専用のスタジアムかなと思っております。

われわれクラブの発展、成長。そして、ひいては先ほどから申し上げているとおり、このJリーグの地域活性化の起爆剤の一翼を担えるコンテンツと考えると、われわれの成長と発展をするためにも、専用スタジアムというのは、専用という言い方はちょっとアレですね、サッカースタジアムが必要なんじゃないかなと感じております。

 

–Jリーグから個別の文書を発信する可能性があるとのことですが、その具体的な内容について。

さて、そこはリーグの方に聞いていただけないとっていうところはありますね。もしくは、これは僕の勝手な想像ではありますけども、鹿児島さんみたいに5年以内に確実に作ってくださいねですとか。(秋田も)ある意味、今回がそういった内容なのかなと受け止めております。

というのも、やはり意向表明書に沿ったスケジュールで必ずやってくださいと言われておりますので、そのスケジュールを考えると、2026年着工、28年供用開始を考えれば、5年以内という形になりますので。もしかしたら、そういった具体的な数値が、今後(指摘される)ということはありうることなのかな思っております。

 

–今後5年の間に具体的な着工や建設に向けての道筋を常にリーグに報告をしながら、28年の供用までライセンスは交付されるのでしょうか。

いや、先ほどから申し上げているとおり、基本計画ができて、素案ができて、計画は議会のほうの承認を受けてというような、実現性を感じられるか感じられないかで、その判断はされてくるのではないかなと思ってます。

先ほどご質問いただいた言葉をお借りすれば、より来年は厳しい判断をされるのではないかなと感じております。われわれとしては、危機感も同時に抱いている状況でございます。
(ここまで河北新報質問)

 

–11月の基本計画素案や年度内の基本計画は秋田側のスケジュールでもあり、Jリーグにも約束をしているのでしょうか。

先日の26日の月曜日、県と市に対して内示のお話があった際に、リーグのほうから、そのときもヒアリングのような状況ではございました。この意向表明書に沿った形でスケジュールで確実にやってくださいといったものと、その進捗はいかがですかというご質問に対して、市のほうからは、先ほど申し上げた基本計画の素案、そして2月議会、そして今年度中の基本計画の作成といった部分をリーグに対してご説明していただいておりました。それはわれわれの言葉ではなく、市のほうからご説明いただきました。

 

–今回の判定では、ソユースタジアムのトイレと屋根に制裁があってもB等級でライセンスが交付されました。

制裁は出てているなかで、われわれが、リーグも加味していただいてるのは、もう新スタジアムの整備が動いていると、5年前にやりますという意向を示したことを踏まえてっていう部分ではありますね。

 

–新スタジアムの話が動いているから制裁は出しますが、これ以上のペナルティは現状ではないということでしょうか。

そうなります。
(ここまでABS質問)

 

–今回ライセンスが交付されたことでスポンサーの獲得にも好影響があるでしょうか。

はい。昨日報道機関の皆さまからご周知いただいてから、当クラブにお祝いといいますか、本当にスポンサーの皆さまも不安と心配をしておりまして、「よかったね」という形でお話いただいております。われわれがJ1を目指せるクラブになるということは、クラブとしての企業価値というか、クラブ価値が上がって、そこには広告価値といったものが必然的に乗ってくると思いますので、それは必然的に上がってくるかなと思っております。

 

–前回会見のあった6月30日から約3ヶ月間で、Jリーグとどんな内容で、どれほどの頻度でやり取りをされたのでしょうか。

頻度で言うとちょっとアレですけど、ただ協議会を何回開いたのかな。4回、その間に開かせていただいて、その協議会の内容については逐一リーグのほうには報告をしております。リーグのライセンス事務局の皆さまも、報道機関の皆さまを通して情報をいろいろ精査したなかで、「これってどういうことですか」なんていう質問は何度か電話をいただいてたりはしましたけども、実際にわれわれからしっかりと報告をしたのは、協議会の4回というような形でございます。
(ここまで秋レポ・竹内質問)

 

–いろいろやるべきことがあるなかで、岩瀬社長が最優先で着手しなければいけないと考えていることについて。

まずはJ2に残留すること。その上で10位以内という目標を達成、近づけることが、クラブの未来にとって非常に大事なことかなと思っております。

 

–新スタジアムの着工予定は2026年でしょうか。2026年度内でしょうか。

2026年度内です。
(ここまでNHK質問)

取材:竹内松裕

 

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