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【トピックス】モンテディオ山形中村隼選手逮捕

会見の冒頭に頭を下げて謝罪する森谷俊雄社長(写真中央)、中井川茂敏取締役(写真左)、石井肇強化部長(写真右)。

2016年11月1日、モンテディオ山形所属のGK中村隼(なかむら はやと)選手(24歳)が京都府警警察本部に逮捕された。容疑は児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反。

この件でモンテディオ山形は11月1日夜に会見を行い、株式会社モンテディオ山形の森谷俊雄社長、中井川茂敏取締役、石井肇強化部長が出席した。
森谷社長は「スポーツ選手として青少年の皆さんに夢と希望を与える選手が今回のような不祥事を起こしたことは誠に遺憾。多くのファンやサポーターのみなさま、スポンサー、地域の皆様、そしてJリーグ、サッカーを愛して頂いている全ての皆様に深く心よりお詫び申し上げます」と頭を深く下げて謝罪した。

森谷社長によると、中村選手は15年11月に未成年男子の写真を外部から入手しインターネット上に転載した容疑があるという。京都府警に逮捕されたのは、画像に映っている未成年男子が京都府在住のためで、この写真は中村選手本人が撮影に関わったものではないそうだ。

京都府警の捜査員3名が捜査のためにモンテディオ山形クラブハウスを訪れたのは11月1日午前9時頃。石井強化部長を通じて中村選手に任意で同行を求めたところ、トレーニングの準備をしていた中村選手も了承し、トレーニングには参加せずにそのまま同行していった。その後午後7時頃に京都府警からクラブへ同選手を逮捕したという連絡を受けたという。現在、中村選手の身柄は現在京都府警で拘束されている。

逮捕当日の会見とあって、クラブ側も京都府警から聞いた容疑に関する情報以外は全容を把握しきれていない。このため、中村選手の選手雇用契約に関する処分については、クラブが本人から詳しい事情を聞いた後に行われることになりそうだ。

練習前のクラブハウスで同行を求められただけに他の選手達の動揺も隠せない。選手たちには1日の練習開始前に石井強化部長から経緯の説明があり、石﨑信弘監督によると、選手たちは動揺しながらも練習に取り組んでいたそうだ。翌2日朝にも練習前に森谷社長からチームに対して説明が行われる。

モンテディオ山形では、10年10月にも当時モンテディオ山形を運営していた社団法人スポーツ山形21世紀協会の職員が児童ポルノ製造の疑いで逮捕された経緯があり、クラブのコンプライアンスに関してはより真摯で重きを置いた対応が求められていたはずだ。
15年9月に選手支援活動の一貫としてJリーグの協力を得てSNSに関する研修なども行っており、中村選手もこれに参加していた。ただ、その研修から2ヶ月後に中村選手が行為に及んだことになる。

モンテディオ山形の次節は11月3日にニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦する。しかし、Jリーグチームに所属する選手が起こした事件ではあるとはいえ、リーグ戦やチーム内の他の選手スタッフは現時点で無関係で、中村選手本人とクラブの管理監督責任による問題と言える。

そのモンテディオ山形は、昨年12月の髙橋節前社長解任問題があって以降、社長人事の経緯やクラブ運営、リーグ戦低迷時におけるサポーターへの対応等で、ファンやサポーターからのクラブ運営に対する批判の声が噴出している。同様のおざなりな対応では火に油を注ぐ結果となってしまうだろう。

森谷社長も「誠意を持って捜査に協力するとともに関係者にも誠意ある対応をしなければいけない。これからの対応や処分の際に管理監督責任も併せて検討する」と管理監督責任の重大さを認めている。

中村選手への厳正な処分や本人の対応は当然必要だが、クラブがモンテディオ山形サポーターだけでなく、Jリーグやサッカーファン、関係者すべてに対しても、どれだけ誠意のある責任を持った対応ができるかも大きく問われるはずだ。

低迷しているチームがJ2残留に向かう大事な一戦が間近に控えているが、それどころではないプロサッカークラブとしての沽券に関わる重大な事件となってしまった。

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