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【2015番記者座談会/vol.1】J2降格の原因はどこに?

宮阪政樹——今年、下から突き上げて来るべきだったのは誰だったのでしょう?

A記者 難しいなあ。まあ宮阪なんかは……やっぱり出場機会のあった選手がJ1の中でなかなか結果を出せなかった。で、終盤戦どんどん試合に出られなくなっていったんですけど、そのあたりの選手が頑張って出続けていれば、ポジション争いになっていったのかもしれない。

佐藤 難しいですよね。選手の立場からすると「出して欲しかったのに」となるわけで。

B記者 そこがかみ合わなくて、出たくてやっている選手と使いたい監督のニーズと供給が合わなかったのかなと思う。ただ、宮阪選手の気持ちを代弁すると、起用のされ方がわかりやすいんですよ。松岡さんが怪我でいなくなったから、じゃあ一回行く?と。で、小椋さんがフィットしました、お疲れさん、みたいな。実際のところ(宮阪選手には)「試されている感」さえなかったんじゃないかなという気がして。

——だとしたら、選手にとってはきついですね。

B記者 ただ、昨年の天皇杯決勝戦でガンバに負けた時に、石﨑監督は今季のイメージをしていたらしいんですね。守備は歯が立たないという結論を出している。それでボランチまわりを補強しなきゃと思ったから、今年アルセウがいるわけなんです。

 そうですね。

B記者 パトリックや宇佐美を相手にして、ディフェンスは通用しないと思って守備から入ったチームづくりをした分、2014年に輝いた選手がそのまま2015年に輝くしくみにはなっていなかったのかなと思います。

広大 チームを編成する時には、間違いなく守備から入っているよね。アルセウも渡辺広大もそうだし。

B記者 今年のモンテディオ山形の編成は明らかに下から組んでいった。山岸さんの完全移籍から始まり、広大さんで真ん中をつくって、ボランチにアルセウを入れて。なので、前線で点が取れない。本当はそうしたくない補強だったと思うんですけど。

A記者 得点力不足は今季に限らず前から言われていたことですけど、石﨑さんのサッカーはハードワークでやっているので、激しく動いている分、最終的にシュートやクロスの精度が落ちるのは必然だと思うんです。練習を見ていても、激しく動いた後のクロス、シュートだから、質の高いクロスが上がらなかったり、枠内に飛ばないことが多かったり。それはたぶん、石﨑さんが1年目にやっていて課題として見えていたと思うけど、2年目にJ1に上がった時に、その課題をどう克服するかというところに対しての補強はなかったなと。川西の完全移籍と、途中で高崎を獲ったけれど。

——後ろのポジションを重視して補強した結果、攻撃面の積み上げが薄かったのは事実ですね。

B記者 優先順位の問題です。予算とコンセプトの。逆にいうと、今季のモンテディオ山形が得点力不足になるのはわかっていたはず。前線のメンバーが全く変わらない中で、去年J2で年間54点しか獲れていない。得点ランキング1位のチームは70点以上。J2で5番目くらいの得点力なんです。その状況で、相手の質も上がり、川西さんの完全移籍だけでメンバーが変わらずにJ1に乗り込んだところで、点が獲れないのはわかっていたはずなんです。

 そうだね。それは監督も言っていた。

B記者 そう。「それはわかっとった」と。とすると、問題はシーズン中に点を獲るような仕組みにならなかったということですよね。補強が問題とは思わない。限られた手駒で、点を引き出すメソッドがなかったかなという気はします。

 練習でも、そういうところまではあまりやらなかったかな。

佐藤 クロスにはこだわっていたと思うんですけど、クロスの精度もさることながら、(山形の)1トップ2シャドーが、クロスからシュートが獲れる選手だったかというと、そういうタイプじゃないのかなと。

 監督が(試合後の)会見のコメントでもよく言っていたのが、クロスが入った時の中の選手の動き方とかだったんだけど、じゃあそれに対して、どういう形でやるかという練習自体は、やる時間がなかったというか。

B記者 このチームしか見ていないのでわからないんですけど、正直、攻めのアプローチの練習が明確に試されていた気がしなくて。やっぱり俺、甲府戦後の佐久間監督のコメントが全てを語っていると思うんですよね。ほんと、ご一読ください。至極まっとうなことを言われていますから。

次回、「【2015番記者座談会/vol.2】あの試合が!あのシュートが!」は明日27日に更新!

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