神戸戦とは意味も質も違う引き分け 2年前の既視感【轡田哲朗レッズレビュー/J第2節 京都戦】
(Report by 轡田哲朗)
この内容の試合をしてしまったことが、あまり良くない
浦和レッズは2月22日のリーグ第2節で京都サンガF.C.とアウェーで対戦して1-1で引き分けた。ガチャガチャとさせたい相手のペースに乗ってしまった試合を展開したうえで全体的に見ればピンチの方が多く、相手の明確なミスによるラッキーゴールで辛くも追いついたという、ちょっと厳しいゲームだった。だから、終わっての感想は「勝ち点1を拾った試合」というものになる。
前節のヴィッセル神戸戦は試合前から「引き分けを悪くないと捉えられるのは浦和」というスタート地点にしていたが、このゲームに関しては目指しているものを考えるなら引き分けでは不満足だろう。試合内容を受け入れたうえで見れば引き分けを勝ち取った感があるが、この試合内容をOKとするのはどうかなというものだった。
スタメンは神戸戦と同じで、ベンチメンバーで石原広教から松尾佑介への交代があったのみだった。松尾はキャンプを基本的にリハビリ組で過ごしたし、2023年はキャンプ中にベルギー移籍したのでマチェイ・スコルジャ監督は実際にシーズンを通して見ているわけではないけれども、かなり有用なピースとして認識しているだろうことはうかがえる。そして、髙橋利樹を再びベンチに入れなかったのは少し意外で、これはこの試合につながる流れを見てきたうえで関係してくる。
人に合わせることとハイプレスを組み合わせてくる京都に対し、浦和は前半の早い段階で渡邊凌磨が負傷で交代せざるを得なくなり、サミュエル・グスタフソンを入れることになった。マチェイさんは原口元気との選択があったことを試合後に明かしたが、単純に試合前のプランがピッチ上でどのポジションの選手にどんな役割を与えたものだったのかという観点なら、長倉幹樹を1.5列目に入れて松本泰志をボランチに下げるのが最もスムーズだったかもしれない。この辺のところで言うと、マチェイさんはそういう観点よりもプランを少し変えてでも自分が考えるいい選手から順に使うことを優先する傾向があるように見える。
「グスタフソンを入れた以上は」の部分とマンマーク型に対してのチアゴ
京都がこのようなプレースタイルであることは周知の事実で、マチェイさんの言葉を借りれば「何のミステリーもない」から、基本的に考えることは2つになる。背後のスペースにボールを置いて裏返す状態を作りながら押し上げていくか、地上戦で相手のプレスを上回る場所を作っていくか。どちらにせよ重要なのはチームがどうやって前進していくかになるが、ここの質が壊滅的だったことがゲームを難しくした。
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