浦レポ by 浦和フットボール通信

新たな面を「引き出された」ゲーム 今後に向けた良い目安に【轡田哲朗レッズレビュー/J第15節 京都戦】

(Report by 轡田哲朗)

2試合消化が少ないリーグ戦、可能性は「自分たちの手の中に」

浦和レッズは5月27日にリーグ戦の13試合目で京都サンガFCと対戦して2-0で勝利した。基本的にハイプレスを基調としたチームに対してどれだけのものを見せられるか、あるいはどのような考え方で臨むのかが注目点だったゲームだったが、勝ち点3を手にすることができた。

ゲーム日程の関係から予想されたように、スタメンは前回のリーグ戦とほぼ同じに戻した。とはいえ、24日のルヴァン杯の川崎フロンターレで良いプレーを見せた選手もいるため、結果からの逆算ではなくダヴィド・モーベルグや平野佑一、ホセ・カンテが交代要員として重要なカードになったのは自然な流れであり、チームにとって喜ばしいことの一つだったと言えるだろう。

この勝利で勝ち点を24に伸ばすことができた浦和は、いわゆる「2games in hand」と呼ばれる2試合消化が少ない状態にある。この2試合で2勝できれば2位の横浜F・マリノスと勝ち点が並ぶので、まさに優勝争いができる立場は自分たちの手の中にある。それを生かすも殺すも自分たち次第ということになるが、この京都戦はそのチャンスをつないだと言えた。

繰り返される問題と、相手と正面衝突してしまった前半

前半はどちらかというとあまり良くない部分が出ていて、まずは柏レイソル戦や名古屋グランパス戦でも見られたような、芝が短くてしっかり目に水が撒かれたピッチで速くなるボールに対してコントロールに怪しさを出す場面が多発したこと。いきなり岩尾憲が自陣のペナルティーエリア付近でボールを持っていかれて大ピンチという場面もあったのだけど、この場面も自分の思うとおりにボールをコントロールできていないことが所作に出ていて、その間に詰められてしまった。大久保智明もちょっとしたドリブルが長くなって相手にぶつかっていってしまうところもあったし、全体的に多少のストレスを感じさせたのが一つ。このようなピッチを作る相手のアウェーゲームで3回も同じことを繰り返しているのは、ちょっとどうなのかなという感覚はある。もちろん、寄せられながら正確なコントロールをするのが難しいからこそ相手は強くプレスに出るのだけど、パスの出し手も受け手もやれることはありそうな気はする。

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