現状やれることはやった試合 悪くないと引き分けと受け止める【轡田哲朗レッズレビュー/J第35節 横浜FM戦】
(Report by 轡田哲朗)
マリウスの出場停止で佐藤と井上が組み、サイドを入れ替えた
浦和レッズは10月30日に横浜F・マリノスと対戦して0-0で引き分けた。試合数も勝ち点も並んでいる両者は、勝った方がJ1残留争いから完全に抜け出すと言えるような関係の戦いではあったものの、勝ち点1ずつを分け合う結果になった。とはいえ、両チームから見ると18位ジュビロ磐田との勝ち点差が8になったのと同時に、その間に挟まっている4チームすべてに抜かされる可能性がどれだけあるのかという観点で、ほぼ安全圏に入ったという言い方もできるだろう。
浦和はマリウス・ホイブラーテンが出場停止だったことで、井上黎生人と佐藤瑶大が組んだ。マリウスが負傷した翌週の10月5日にセレッソ大阪戦でも組んだ2人だったが、その時を含め春先から練習でもこのコンビがプレーする時は佐藤が右で井上が左だったが、今回は場所が入れ替わった。試合を見れば、その配置転換は良い方に出た。また、前線では関根貴大がスタメンに戻って大久保智明は登録メンバーからも外れた。
一方のマリノスはAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)や他のカップ戦と合わせて15連戦だったということで、そのしんどさは昨季の浦和と似たようなものだから想像はしやすいだろう。エウベルも詳しい状態は明かされなかったが負傷欠場だったようだ。そして、開始早々に負傷交代の選手を出し、そこで入れた天野が終盤に足を痛めて交代するという難しさにも直面していた。とはいえ、交代で出てきた2人の選手を合わせた4人のウイングは間違いなく質が高かったし、アンデルソン・ロペスの存在は脅威になった。
プレスはなかなか厳しい面も、走らされたリターンは少ない
序盤でマリノスは交代選手が出る形になったが、浦和は割と意欲的な立ち上がりをしていた。ただし、マチェイ・スコルジャ監督が「相手がGKにボールを下げた時に、十分に効果的なプレスはかからなかった」と話したように、なかなか追い詰めるところまでいかなかった。浦和はブライアン・リンセンと渡邊凌磨をダブルボランチの前に立たせたところからスタートしたが、天野が投入されたことで彼らのボランチも少し縦関係になって役割分担に難しさも出ていたし、ボールの受け際のところで少し寄せきれなかった面も見えた。
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