浦レポ by 浦和フットボール通信

ジェッダの車窓から、クラブW杯2023

(Report by 轡田哲朗)

雑然として、真夏のような海岸の街ジェッダ

浦和レッズはクラブ・ワールドカップ(W杯)へ出場するために、サウジアラビアのジェッダに来ています。6大陸代表と開催国代表の7チームによるミニトーナメントで行われる大会形式は今回が最後です。2024-25シーズンから始まる32チームによるビッグトーナメントも楽しみではありますが、世界のサッカー界に強烈なパラダイムシフトが起こらない限り、浦和が世界の頂点に立つ可能性があるのは正直なところ今回がしばらくラストチャンスでしょう。それこそ、準決勝で対戦するマンチェスター・シティ(イングランド)は世界最強クラスの相手ですが、16日に寒いイングランドで試合をして中2日で日中は真夏のようなサウジアラビアに来て試合をするわけです。考えられる限り最悪に近い条件が彼らにあるわけで、25年6月に始まるトーナメントのように事前に入ってしっかり準備をして、という状態で世界の強豪と戦うのはとても厳しく、さらにグループステージから決勝トーナメント4試合を全て勝たないと優勝できません。そう思えば、今回は千載一遇のチャンスと言えるでしょう。

試合に関することはさておき、今回の移動はカタール航空のドーハ乗り換えを利用しました。現実的な移動時間と乗り換え回数の中で最も経済的に優れていた手段だったわけですが、中東系の航空会社は機材やサービスが良いものが多いです。欧州系の老舗航空会社だと、機内の色々なところが痛んでいるようなものもあるんですが。ジェット気流に逆らう往路は成田からドーハまで13時間ほど。2時間強の乗り換えを経て、空路3時間ほどでジェッダへと入りました。ドーハでの乗り換えは飛行機の下に移動してタラップを登って乗り込むもの。このパターン、不思議と好きなんですよね。なんかこう、ワクワクします。帰りも同じ乗り換えですが、風に乗る帰路はドーハから成田が9時間台になる見込みです。地球規模の力の大きさみたいなものを感じる瞬間ですね。ただ、ドーハで12時間くらいある乗り換えになってしまったので、その間にYoutubeでの振り返り配信ができないかなど検討中です。

ジェッダはアラビア半島の西岸で紅海を渡るとすぐにエジプトです。そのため気候が非常に温暖かつ日差しが強烈で、日中は本当に30度くらいあります。17年に同じクラブW杯で訪れたアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビより、さらに夏を感じるような気候です。サウジアラビア国内でも、アル・ヒラルの本拠地である内陸の首都リヤドとは違う特色の街で、港町のような印象もあり、でかい魚市場もあるということで魚料理の店もあります。クラブ・レオン(メキシコ)戦とシティ戦の間では、こちらに取材で訪れている記者仲間と行きましたが、みんなでそこそこいい感じに食べても1人2000円ちょっとで済むような感じでした。ただし、現地の人も昼間はほとんど出歩かず、お店も閑散としたもの。夕方以降から様々なスイッチが入っていくような感じで、21時や22時はまだまだ普通に活動する時間帯という様子。空港もそこまで広くなく、クラブW杯への歓迎バナーなどはありますがコンパクトなもの。街はとても雑然としていて、この地域特有の砂と同じようなクリーム色の建材で作られたものが並んでいます。

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