浦レポ by 浦和フットボール通信

1ゴール1アシストの伊藤美紀が得点シーンで意識していたこととは【皇后杯5回戦 日体大戦】

(Report by 河合貴子)

皇后杯の初戦を勝利

皇后杯初戦をカンセキスタジアムとちぎに乗り込んで迎えた三菱重工浦和レッズレディースの相手は、なでしこリーグ1部の6位で今シーズンを終えた日体大SMG横浜だ。日体大の学生たちなのでスタメンの平均年齢が20.9歳と若く、WEリーグ連覇を果たした浦和にチャレンジ精神全開で挑んできた。

「相手が格上だからといって、こちらが退いてやるのではなく、若くチャレンジャーとして前からボールを奪っていくのが日体大のスタイル」と大槻茂久監督が自信を持っていたように、日体大は前線から激しくプレスを掛けながら浦和のパスコースを限定していった。

スキルの差は歴然で、浦和は良い距離感でボールを保持し攻撃の形は作れるものの、アタッキングサードに入ってからは攻めあぐねる展開になってしまった。浦和が前半に放ったシュートは、たったの2本であった。そのうちの1本が、先制点だ。20分、浦和の右サイドをスローインからテンポ良く崩されて、金子選手のクロスに李選手がヘッドで飛び込むも合わずファーサイドに流れ、富岡選手のクロスを猶本光選手がインターセプトしたところが攻撃の始まりであった。

正直、浦和が失点していてもおかしくないシーンだ。猶本選手が攻め残りしていた菅澤選手へとロングフィード。もちろん日体大は、カウンターを潰しに掛かる。数的不利な状況で日体大にボールを奪われてしまったが、ちょっとルーズになったボールが伊藤美紀選手の前にこぼれてきたのだ。伊藤選手は素早くDFの裏のスペースへと展開。菅澤選手が、プレスを振り切りGKの動きを読んだコントロールシュートが綺麗な放物線を描きながらゴールへと吸い込まれていった。『これぞ、プロの技』と思える瞬間であった。

先制された日体大は、前プレスのギアをさらに上げてきた。32分には、その前プレスに手こずっていた浦和からボールを奪い、北沢選手が思い切りよく放ったミドルシュートを池田咲紀子選手が右手1本でCKに逃れるファインセーブで阻止した。

「普段、試合をしていない相手なのでどういうふうに来るのか分からない。分析だったり、映像を個人で確認するけど、やってみないと特徴など分からない状況で難しい試合運びだった」と伊藤選手は振り返った。

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