浦レポ by 浦和フットボール通信

惜しいところも改善も見えた試合 ディテールの底上げは継続したい【轡田哲朗レッズレビュー/J第9節川崎戦】

(Report by 轡田哲朗)

リーグ戦の「いつメン」に、早川が食い込んできた

浦和レッズは4月23日のJ1第9節、川崎フロンターレ戦を1-1で引き分けた。このゲームを終えてチームはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝戦の第1戦に向け、サウジアラビアに出発した。マチェイ・スコルジャ監督は試合後に「浦和での初日から決勝を意識していた。沖縄キャンプが始まったころから、それに向けて全員でハードワークをしてきた。非常に難しいゲーム、そのチャレンジに向けて準備してきた。このチームは、このタイトルに向けてしっかり戦うことができると信じている」と話している。つまり、強く意識してきた試合はチームの運営の中で重要な節目なので、ある意味ではマチェイさんのチームにとって第1フェーズが終わるところ。だから、この川崎戦で見せた姿、あるいはクオリティーが現在地を示すような部分がある。

メンバーは4月15日の第8節、北海道コンサドーレ札幌戦でレッドカードを受けたホセ・カンテが出場停止だったところにブライアン・リンセンが入ってベンチに控えたような感じなので、基本的にリーグ戦のメンバーがピッチに立ったと言える。これもまた、マチェイさんがACL決勝を見据えながらあまりメンバーを入れ替えないできたことの延長線上にある。ただ、ベンチメンバーにユース所属で二種登録の17歳、早川隼平が入ったことは前向きなサプライズだった。

ベースになるボール扱いの技術は、まだ川崎にかなり及ばなかった

このゲームの入りは、大雑把に言うと似たような狙いを持つチーム同士が噛み合ったという見方で良いと思っている。相手の最終ラインまでプレスに出る意思があり、マイボールは投げ出さずにつないでいきたい。ちょっとした配置の取り方や方法論に違いはあるし、それでいくと浦和の方が斜め方向のロングボールを使う場面は少し多めだった。ただ、その細かい違いを突き詰めるよりは、似た狙いの中でどちらがそれを表現できていたのかという点で広く捉えた方がいい試合だと思っている。

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