浦レポ by 浦和フットボール通信

広島戦もスコアレスドローに終わり、5試合連続の引き分けに 勝ち切れない要因はどこにあるのか【河合貴子 試合のポイント/J13節広島戦】

(Report by 河合貴子)

ゴールが遠く5試合連続の引き分けに

浦和は、出口のない迷路に迷い込んでしまったのだろうか・・・。天皇杯優勝をつかみ獲った5ヶ月前の輝きも、3ヶ月前のFUJIFILM SUPER CUPを勝ち獲った躍動感も陽炎のように儚く消え去ってしまった。ゴールで心を熱くしたいところではあったが、サンフレッチェ広島をホームに迎えてスコアレスドロー。静かに降りしきる雨が、荒んでいく心に拍車をかけていった。

シュートを撃たなければ、決してゴールは生まれない。シュートを撃てば勝つ確率は上がる。撃たなければ、何も始まらないからだ。良い意味で「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」が成功体験となってスキルアップするが、シュートコースもない状態で他に選択肢があるのにも関わらずシュートを撃てば、冷静さを欠いた闇雲のプレーであり、あまり意味をなさい。試合を通して浦和が放ったシュートは11本、広島が17本であった。

試合開始から主導権を握ったのは浦和であった。前線からアグレッシブにプレスを掛けてくる広島をうまくいなして攻撃のリズムを作り出していった。そして14分、左サイドからの馬渡和彰選手のFKが、DFとGKの間でワンバウンドしてゴールへと吸い込まれていった。ラッキーな先制点が決まったと思いきや、VARによってオフサイドポジションにいた岩波拓也選手が、プレーに影響を与えていたのではないかとオンフィールドレビューとなった結果、ノーゴールの判定になってしまった。

ゴールが取り消され気落ちしたのか、徐々に流れは広島に・・・。前線のジュニオール・サントス選手やナッシム・ベン・カリファ選手、満田選手たちが浦和ゴールへと襲い掛かってきた。さらに、野津田選手までもが強烈なミドルシュートを放ってきたのだ。

27分には、ショートカウンターから満田選手が放ったシュートは左ポストに直撃するシーンもあった。前半終了間際には、DFの裏を抜け出した藤井選手のマイナスのクロスに合わせたジュニオール・サントス選手のシュートをアレクサンダー・ショルツ選手がブロックするも、そのこぼれ球を再びジュニオール・サントス選手が拾って狙ってきた。

浦和にとっては流れの悪い時間帯だったが、西川周作選手やDF陣がゴール前で身体を張って奮闘しゴールを死守した。前半は5-3-2の広島の守備をかいくぐりしっかりとポゼッションすることができたが、広島の方がゴールの可能性が高いシュートを放っていたのは事実だ。

リカルド・ロドリゲス監督が「はがした後のファイナルサードの所での質であったり、少しあせったような形になってしまった。距離があった所でのシュートであったり、シュートを撃つことが悪いことではなくて、可能性が少ない中でのシチュエーションが多かった」と険しい表情をした。前半をスコアレスで折り返した両陣営だが、先に手を打ってきたのは広島だ。

後半、ジュニオール・サントス選手を1トップにし、満田選手と森島選手をシャドーに置き、野津田選手と松本選手のダブルボランチにしてピッチの中央を厚くする配置へと変えたのだ。

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