念願だったACLのタイトル キャリアハイの興梠慎三が果たした役割【2017選手レビュー】
(取材・文)轡田哲朗
ACLが最大目標と明言し続けたエース
シーズン前、あるいは開幕直後に、よくメディアから掛けられる質問に「どれか1つだったらどのタイトルが欲しいか」というものがある。あまり同業者を悪くは言いたくないものの、選手の立場からは「取れるタイトルは全部」と答えざるを得ない、ちょっとかわいそうな質問だと感じることはある。そうやって「浦和○○、タイトル総なめ宣言」みたいな見出しになるからだ。
そうした中、興梠慎三は少し異質な存在だった。なにしろ「ACLですね」と即答するからだ。それは、浦和に加入してからずっと変わらない。前所属の鹿島アントラーズ時代に国内タイトルを全て獲得している興梠にとって、それだけAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のタイトルが特別だった。
シーズンも終盤に差し掛かり、ACL決勝前のラストゲームとなったリーグ戦の鹿島戦を終えると、興梠には選出された11月の日本代表欧州遠征に対する質問が飛んだ。しかし興梠は、苦笑いしながら「言っちゃっていいのかな」とでも言いたげな表情をして、こう話した。
「代表はほどほどに頑張って、ACLに全力を尽くしたい」
戦術の変化で止まったゴール
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