【島崎英純】2023天皇杯4回戦/浦和レッズvs名古屋グランパス・試合レビュー『今季ワーストの内容で敗退。そして一部サポーターの許されない行為。今後に影を落とすゲーム』

©Yuichiro Okinaga
中断明けからの変化
約3週間の中断期間を経て、浦和レッズは名古屋グランパスとの天皇杯4回戦に臨んだ。マチェイ・スコルジャ監督は中断直前のJリーグ第21節・セレッソ大阪戦と全く同じスターティングメンバーをピッチへ送り出した。システムも4-2-3-1で変わらず。低下したコンディションを改善し、細密なトレーニングを重ねた上で、現状はやはり、このメンバーがチームの主軸であることを示した格好だ。
今までのところ、浦和は今夏の移籍マーケットで4人の新戦力選手を迎え入れている。そのうち、DF宮本優太とMF安部裕葵はJリーグへの登録が完了し、今回の名古屋戦に出場できる権利はあった。しかし彼らはベンチ入りせず、岩波拓也、大畑歩夢、柴戸海、早川隼平、ホセ・カンテといったお馴染みのメンバーが控える中で、少しの変化を感じたのはセカンドGKが鈴木彩艶から牲川歩見に代わっていたこと、そして久しぶりにブライアン・リンセンが帯同したことだろうか。鈴木がメンバーから外れたのは移籍関連の関係なのか、また同じく他クラブへの移籍が取り沙汰されたリンセンが再び出場機会を得られる状況となったことをポジティブに捉えるべきかなど、シーズン後半戦に向けて、今の浦和は幾つかの変容が見られる。
試合序盤の浦和のビルドアップスキームも興味深かった。GK西川周作、CBアレクサンダー・ショルツ&マリウス・ホイブラーテン、MF岩尾憲の4人が後方ビルドアップを実行し、1トップの興梠慎三とトップ下の安居海渡が頻繁に後方へ降りてパスレシーブを目論む中で、左MFの関根貴大が意図的に右サイドへ侵入してパスワークを活性化させようとしていた。元々浦和の右サイドは酒井宏樹、大久保智明、伊藤敦樹のトランアングルが良質な前進スキームを実行できており、これに関根も加わることで一層の迫力を醸し出した。
しかし、名古屋も事前に浦和対策をしていた。その手法は完全マッチアップだ。浦和がボール保持した際に、彼らは明確に受け持ちマーカーへベタ付きして浦和の攻撃を分断した。
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