文字通りの完勝。リカルド流、ここにあり!【島崎英純】2022Jリーグ第21節・FC東京戦レビュー

©Takehiko Noguchi
トランジションを恐れない
FC東京と相対するに際して警戒すべきはトランジション。アルベル プッチ オルトネダ監督が用いる策は巧妙な網を張り巡らせたうえでのボール奪取と、そこからの高速カウンターにある。
FC東京が自慢とする3トップは頂点にディエゴ・オリヴェイラ、右翼に渡邊凌磨、左翼にレアンドロというスピードとスキルを兼ね備えた攻撃者が並び、その後方ではインサイドハーフの松木玖生と梶浦勇輝というハードワークに優れる選手が構えている。アンカーに東慶悟を起用している点は攻撃精度の向上を目論んでいるように見えるが、長友佑都とバングーナガンデ佳史扶というサイドバックは攻守両面に関与するタフネスだし、センターバックの森重真人と木本恭生のディフェンス強度には定評がある。守護神のヤクブ・スウォビクが優秀なGKであるのは言わずもがなで、FC東京からは浦和が意欲的にボールポゼッション率を高めるアクションを見定めて戦況を一変させたい意欲がひしひしと感じられた。したがって浦和としては、たとえビルドアップがスムーズに機能して試合の主導権を握れたと実感できても、決して油断してはならない状況下を認識しなければならなかった。
浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督はスターティングメンバーに起用している何人かの選手を中軸と定め、チーム全体の連係・連動の精度向上を目指している。GK西川周作の前でプレーする岩波拓也とアレクサンダー・ショルツの両センターバックはFC東京が最前線のオリヴェイラのみがファーストプレスを仕掛けると判断すると、互いの距離を広げてパスの入射角度を確保してビルドアップスキームを整えた。その後、FC東京がオリヴェイラとレアンドロの2トップに陣形を変容させると、今度は酒井宏樹、もしくは大畑歩夢の両サイドバックのどちらかが降りる疑似3バックへと移行し、守備面でのリスク管理と攻撃面の機能性確保を担保した。
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