【神谷正明 Player’s Passion】阿部勇樹(2014/11/13)

2014年11月13日 6時30分　
カテゴリ：コラム • 神谷正明
タグ：

対照的なふたつの顔

ピッチの中と外であれほど対照的な選手も珍しい。

阿部勇樹はグラウンドに立てば実に堂々としている。相手の守備に隙があるのを見つけたらリスクを恐れずにバンバン縦パスを当てていく。ビルドアップ時の阿部に「ミスをしたらどうしよう」といった弱気な姿勢は見られない。ミドルレンジのクサビのパス、サイドへのフィードも意欲的に狙う。ミスをしたら取り返せばいいだけ。阿部のプレーはそういった自信に満ち溢れている。

一流のアタッカーと対峙することになっても決して慌てたりしない。気持ちを前面に押し出すファイタータイプではないが、危ない場面になりそうだったら体を投げ出してでも絶対に止めるという気迫を纏う。阿部が「そこにいる」という事実がチームに安心感をもたらす。ピッチ上で背番号22の数字はひときわ大きく見える。

（残り 1310文字／全文: 1663文字）

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。