【福田正博】Q&A(2011/7/4)
【Q1】
清水戦の敗戦後、選手のみのミーティングを行い、監督に意見をあげたそうですが、プロのサッカーチームとしてはおかしな状況ではありませんか?このミーティングも監督の発案みたいですし、それ以前にも選手の要望で2トップに変えてみたりしています、ペトロ監督が最初にしたいことが上手くいかなかったのは分かりますが、その後の修正を選手にお任せにしているように見えます。そもそも今いる選手達はフィンケ前監督の好みで構成された選手が大部分です。選手に意見を求めたら、フィンケサッカーに近づいていくのでは? しかし直輝のようなポジションを逸脱する選手はひどく監督は嫌がるようです、これでは選手に意見を聞いても混乱するだけではないでしょうか?本来監督が修正を指示し、それを選手が実行する、監督が実行させるのがプロチームでは?ミーティング後選手の口から、「自分で意見した以上はやらなければならない」と言うようなコメントが聞かれますが、本来監督に指示されたことをしっかりと実行するのがプロではないでしょうか?私は今のチームは末期状態だと思いますが、福田さんはどう思われますか?現状を変えるには、監督を代えるしかないと思いますが?
福田A1:
まず、選手だけでミーティングをすることは、どこの世界でもあることだと思う。ペトロが、自分が抜けて、選手だけでやったらどうかと言ったのは、自分がそこにいると選手から意見が出てこないということを理解していて、沸々とした選手達の気持ちをとりあえず出させるという狙いがあったのではないだろうか。選手が言った通りのやり方になっているか、というところは分からない。一番重要なことは、監督が言ったことをやればいいとか、選手達が決めたことをやっているからダメだということではなくて、チームとして結果が残る方法をどう考えるかであって、その手段の良し悪しを論ずることではない。色々な手段があっていいと思う。
ペトロが、選手の言っていることを全て鵜呑みしているというのは、違う気がする。仮に選手達がそう思っていたとしても、監督はそういうことを踏まえて、マネジメントするという手段もある。2トップにしたことに関しても、選手たちから発せられた意見を取り入れるのは、悪いことではない。最終的に責任を負うのは監督であり、決断するのも監督だ。“お前らが言ったから2トップにするよ”というと監督の仕事ではなくなってしまうけど、選手達が良いと思っている意見を聞いて、最終的に判断するのが監督の仕事。
選手が判断してメンバーを決めているわけではないのだから、状況だけを見てそう思うのはどうかなと思う。要望を聞いているふりをしているけど、最終的に監督が決断をしている。選手から出てきた意見を採用した方が今は効果がある、と思えば、その手段をとっても構わないと思う。ペトロにはしっかりした考え方はあると思うし、その中で色々な手段を講じている。色々なマネジメントがあってもいいし、色々な手段があっていい。
選手からしてみると監督が俺たちの言った通りにしてくれていると思うかもしれないけど、そこも踏まえてペトロはやっているかもしれないし、ペトロに最終的な目的があってやっていると思うので、ペトロが選手達に振り回されているようには思えない。ペトロは、結果が出ない中で、それを踏まえて自分なりに変化をする柔軟性を持っているんじゃないかな。監督によっては自分の考えを曲げない人もいるけれども、ペトロはどちらかというと柔軟な監督だと思う。
数節前までは、少しペトロのやり方が見えなくなってきている部分があったけれど、ガンバ戦を見たら、ペトロがやろうとしている形が、はっきりと表現されていたと思う。システムとかメンバーという“形”や、ミーティングの話などの断片的な状況を重ねあわせていくと、見ている人にとっては成績も出ていないし、ネガティブに考えがちになると思うけど、決してそんなことはないと思う。最終的に決断しているのは選手ではなく、意見を聞いてそれを参考にペトロが考えてやっているので、組織としてはおかしな構造にはなっていないと思う。
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