【サッカー人気4位】【浦議の犬と浦和を語ろう】ホーム5連勝に向けて鍵となるのは…

【FUKUDA’S EYE】PSM栃木SC戦レビュー(2011/3/2)

■ボールを動かせなかった中盤の構成

栃木戦では、相手がシステマチックな守備をしていたこともあり、中盤で攻撃にリズムを作り出すことが出来ていなかった。ボランチに入った柏木と啓太のところのフィード能力が低く、ボールを散らせない。あそこでテンポを変えて、攻撃のリズムを作りたい。ペトロの中にはサイドチェンジという意識が強くあるが、ボランチのところからなかなか長いボールを入れられていなかった。柏木はもともとそういうタイプの選手ではないし、啓太はそれほどロングキックが上手くない。

ボランチへボールが入った場合、相手のディフェンスは中央に集結せざるを得ない。しかし栃木戦の浦和は、相手の組織の外側でしかボールを回せていなかったから、栃木のディフェンスは簡単にスライドして対応が出来ていた。ボランチにボールが入ったとき、組織の間を通して左右に揺さぶるパスを出すことが出来れば、相手の組織を少しずつ崩すことが出来るが、この日の浦和はゾーンの間で受けようとする動きも少なく、相手を崩す意図を持ったボール回しが出来なかった。また同じ意味で、センターフォワードへ楔を入れるなど、ピッチ中央の部分を使うことも出来ていなかった。

この部分が、最終ラインがボールを早く動かしながら、ボランチの2人が縦の関係を作りながらボールを引き出したり、サイドバックのポジショニングを修正するなど、ボランチを中心とした展開力が、今後の浦和にとって大きなテーマとなる。ただ、現状では適材がいないから、その中でどう打開していくか非常に難しい。

■大きなポイントとなる、マルシオ・リシャルデスのポジション

もう一つのポイントになるのは、マルシオ・リシャルデスのポジションだ。プレシーズンマッチで見た限り、現状のトップ下はあまり適正なポジションではないように感じる。プレーを見ていてもやりづらそうに感じるし、そのことがエジミウソンのプレーにも影響を与えているように見える。2人とも窮屈そうにプレーしていて、ボールに触れる頻度も低い。試合の流れで、マルシオのポジションを一つ下げてボランチで使っていることもあるが、彼は守備の能力がそれほど高い訳では無いし、彼の特徴を最大限に発揮させることになるとは思えない。

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