「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

[前半戦振り返り]11試合連続無敗。岩政アントラーズの何が変わったのか?(その2)/【コラム】

それは、忘れたくても忘れられない光景だ。

21年シーズン、ホーム最終戦セレモニー。マイクの前に立った三竿健斗の表情は抑えきれない悲壮感と、強い決意にあふれていた。

「チームとして変わらないといけないと思います。球際や切り替え、声を出すなどサッカーの初歩的なことだけではタイトルを取り続けるチームには僕はなれないと思います。僕らを見たときに相手が恐れるような、ゲームを支配できるようなそういうサッカーをするチームにならないと、これから先、また同じ悔しい気持ちをするだけだと思っています」

“球際”と“切り替え”。この二つは当時のチームを率いていた相馬直樹監督が特に強調して使用していたキーワードだった。それを敢えて使った挨拶は、監督とそれを選んだクラブに対する強烈な意見表明だった。

その流れを変える狙いで招聘されたレネ・ヴァイラーも、サッカーの内容としては大きな変化がない。上田綺世と鈴木優磨という強力2トップを生かすのはいいが、それ以上でもそれ以下でもなく、上田綺世が移籍すると見る影もなく低迷していく。提示するサッカーも、選手たちが欲している現代的なそれとは似ても似つかないものだった。

 

 

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