「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

西大伍が指摘する攻撃の問題点/【コラム】

先日、footballistaがweb公開した林陵平(東京ヴェルディ)のインタビューがおもしろい。

テーマは「現役Jリーガー林陵平が教える、噂のポジショナルプレーって何?」というものだ。近年、欧州のサッカー心では戦術のパラダイムシフトが起きている。そのなかでもキーファクターの一つであるポジショナルプレーを理解するのは非常に難しいが、林は「僕の言葉で言うと『自分のポジションを守ること』」と説明している。それが非常にわかりやすいのだ。

「正しいポジションをしっかり取って仲間を信じていればボールから寄ってくる。自分が正しいポジションをうまく取っておけば、そこの範囲を動くだけでもボールはしっかり繋がって自分のところに来て、周りの選手もフリーにして優位性を保てる。そういうのがポジショナルプレー」(林陵平)

 

そこで、6月9日に行われた新潟対東京Vの試合を見てみると、なんとも美しい崩しの数々が見られるではないか。それまで東京Vは6試合勝利から遠ざかっていたらしく、前節に退席処分を受けたロティーナ監督不在のなかでの試合だったにもかかわらず、終始、新潟相手に優位に試合を進めていく。ボールロストする場面も多かったが、そのほとんど新潟が”ボールを狩った”訳ではなく、止める・蹴るの基礎技術が足りないことで起きる東京V側のミスだった。

そのなかで林陵平は前半17分、ドウグラス ヴィエイラの負傷退場により出場するのだが、最初のポストプレーから明らかな”違い”を見せる。鹿島も、日本代表も、なんだかモヤモヤする試合が多いが、東京Vの試合の方が見ていてずっとワクワクした。

 

 

なぜ、東京Vの試合をこんなところで紹介するのかと言えば、先日の天皇杯Honda FC戦後、西大伍が次のように語っていたからだ。

「チームとしてやることもぜんぜんもっとやれないと。もっと、サッカーがうまくなって欲しい。もっと楽にできる。パスできる選手を探して、ってなる時間をもっと少なくしないといけない。距離感と、どこのタイミングで顔を出すか。自分が3人欲しいですね」

 

(残り 1339文字/全文: 2247文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ