後半の戦いが象徴する鹿島を襲う時代の荒波/【レビュー】明治安田生命J1リーグ第12節 Vファーレン長崎戦
ガンガン前から追うのではなく、ブロックを築いて守備に入る。試合前に練習から取り組んできたことが、ある程度は奏功した結果、4試合ぶりの勝利を得ることができた。試合後、選手たちは一様に勝利という結果を手のできて一息つけたことを喜んでいた。
大岩剛監督も「相手の勢いを受けながらも耐えて自分たちの攻撃につなげていく、というところは今週取り組んできたところを選手が90分よくやってくれたと思います」と評価を与えていた。
やろうとしていたことは、2トップに入った鈴木優磨の言葉がいちばんわかりやすかったかもしれない。
「少し攻めさせる、というのは言い方がよくないですけど、わざと相手に押し込ませる、ぜんぶガンガン行かないという形もある。まだまだチャンスはいっぱいつくられていたし、危ない場面も多かったので、もっともっと密に話してやっていけたらと思います。行くところと行かないところをハッキリしようと話しました」
長崎の高木琢也監督は、鹿島がそうした戦いだったことを意外と捉えていた。
「早い時間で我々がゴールを許してしまったということで、そのあともっともっと前からプレッシャーをかけてくるかなと思ったんですけど、意外とブロックをつくるような形でした。自分たちがボールを持つ時間が増えたなかでの変化が足りなかったかなと思います」
相手の攻撃のクオリティが勝るか、鹿島の守備のクオリティが勝るか。
いままでは、その勝負を仕掛ける状況さえつくれなかっただけに、試合内容が渋くとも一定の評価を与えることはできるだろう。
ただ、失点の部分は予想どおり、守備の齟齬から生まれたズレから。マークを外したのは内田篤人だった。
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