「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】足りなかった少しの勇気/CS決勝1浦和戦(2016.11.30)

 0-0のまま時間を推移させて勝機をうかがう。他にも戦い方があるなかで、石井正忠監督が選択したのは堅実な試合運びだった。

  それ自体は間違った選択肢ではなかったと思う。もちろん前からボールを奪いに行く戦い方は勇猛であり、成功すれば相手を凌駕する圧倒的な迫力を生む。しかし、撃ち合いを演じて勝ったとしても、アウェイゴールが重くのしかかることになる。賢く戦うのであればあるほど、第1戦が堅い試合運びになるのは自明の理。特に、いまは攻撃陣に爆発力がない。点が取れるなら取りたいところだが、「まずは第1戦のホームゲームで最低でも相手に得点を奪われない形にしたかった」(石井正忠監督)という選択は、非常に現実的なものだったと思う。

 

(残り 3123文字/全文: 3432文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ