【島崎英純】2024Jリーグ第10節/浦和レッズvs名古屋グランパス・試合レビュー『合理的、効率的。理詰めの戦いで勝ち点奪取』

©Yuichiro Okinaga
巧みな状況判断
名古屋グランパスは前節のセレッソ大阪戦から中6日のアウェー戦、かたや浦和レッズは今週のミッドウィークにYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・ガイナーレ鳥取戦をアウェーで戦っており、ホーム・埼玉スタジアム2002でのゲームながらも中3日でのゲームと、スケジュール面で若干のハンディがあった。またペア=マティアス・ヘグモ監督は鳥取戦で多くの主力メンバーを起用しており、その大半が名古屋戦でも先発したことで、それぞれのコンディションが気になった。
序盤は明らかに名古屋がゲームを支配したように思う。戦前はポゼッション率の高い浦和に対して名古屋が受けて構え、1トップの永井謙佑や両サイドアタッカーの倍井謙&中山克広らのスピードを生かしたカウンターから勝機を見出すかと思われていた。しかし試合が始まってみると、名古屋は前線からマンマーク気味に浦和を包囲して敵陣でのワンサイドゲームを目論んできた。ダブルボランチの稲垣祥と米本拓司はスペースカバーとボール回収能力に優れていて、前線選手のプレスとバックラインの押し上げに呼応して狭小な局面で何度もボールを奪取し、浦和のビルドアップを機能不全にしようと目論んだのだろう。
浦和と名古屋はプレシーズン時期の沖縄でトレーニングマッチを組んでおり、その時に双方のチームスタイルを熟知したと思われる。特に名古屋はヘグモ監督がボールポゼッションに拘り、しかも4-1-2-3システムを駆使しつつポジションを固定する傾向があることを認識し、明確なマンマークディフェンスを指示したものと思われる。ここでもし浦和が従来通りに自陣からのショートパスビルドアップに拘っていたら、相手の思惑に嵌って激しい劣勢状態に陥ったかもしれない。
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