本年も大変お世話になりました! 年末のご挨拶と来年へ向けて『浦研プラスからのお知らせ』

2023年も年の瀬。今季の浦和レッズはマチェイ・スコルジャ監督の下、着実なチームマネジメントで強化を進め、5月のAFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)決勝でサウジアラビアの強豪アル・ヒラルを下してクラブ史上3度目のアジア制覇を果たすと、その後もリーグでは上位を堅持し、天皇杯では4回戦で敗退したもののYBCルヴァンカップでは決勝へ進出と、しっかりとした成果を残してきました。しかし暮れのFIFAクラブワールドカップを含めて総計60試合ものゲームを乗り切るのは非常に困難で、最後は満身創痍の状態でシーズンを終え、結局明確なタイトルは先述したACLの一冠のみに留まりました。

個人的には、スコルジャ監督の手腕、特に精神面を含めたチームマネジメント術は非常に卓越していて、クラブスタッフ、コーチングスタッフ、そして所属選手に至るまで、その信任ぶりは傑出していたと感じています。スコルジャ監督が個人的な事情で今季限りでの退任を決めたときに多方面から数多くの惜しむ声があがったのは、この指揮官が内外から高く評価され、信頼されていたことの証でもあるでしょう。

しかし、プロサッカークラブは指揮官との惜別の別れがあっても、その歩みを止めることはできません。その点においては、今回の浦和強化部門は迅速に次なる指揮官の人選を進め、この度、元ノルウェー代表監督などを歴任し、現在はスウェーデンリーグのBKヘッケンを率いていたペア=マティアス・へグモ監督の就任を発表しました。

監督が代われば、そのスタイルも変容するのは現代サッカーの常です。しかし前任のスコルジャ監督もそうだったように、聡明な指揮官がチームを率いれば、クラブが掲げる指針やメソッドを指揮官自身の理念と融合させ、結果と内容を両立させて成果を残すことは必ずできるはずです。

クラブは今、新体制に則したチーム編成の確立を目指しています。その一環としてすでに新戦力の発表も相次いでいます。湘南ベルマーレから完全移籍で加入したDF石原広教は左右両サイドでプレーできるサイドバックもしくはストッパーで、手薄と言われていたサイドエリアの新たなる人材として期待できます。また、ガンバ大阪からDF佐藤瑶大、京都サンガからDF井上黎生人と、いずれもセンターバックの俊英もチームに加わりました。今の浦和には今季のJリーグベストイレブンにも選出されたアレクサンダー・ショルツ&マリウス・ホイブラーテンという絶対的レギュラーCBが君臨していますが、リーグだけでなく数多くの大会を戦い、タイトル獲得を目指すためには相対的な選手層の底上げが必須であることは今季の過密日程と多くの試合をこなさなければならなかった事実からも明らかです。また、浦和はすでに2025シーズンに新たに設立される新レギュレーションでのFIFAクラブワールドカップへの出場も決定しています。多額な賞金額、そしてタイトルを争う錚々たる世界的クラブと、これまでの浦和が経験してきたことのないような大会への出場はさらねるチーム強化への高いモチベーションになるはずです。

一方で、チームを去る選手のリリースもありました。CB知念哲矢がベガルタ仙台へ完全移籍、SB宮本優太が京都サンガへ期限付き移籍、そして今季途中に柏レイソルへ期限付き移籍していたCB犬飼智也の完全移籍も正式に決まりました。知念、宮本、犬飼はいずれもスコルじゃ監督体制下で出場機会に恵まれなかった選手であり、彼らの個人的なステップアップのためにも、今回の移籍は前向きに捉えたいところです。

と、ここまで綴ってきたところで、またもや選手加入のリリースがありました。今季は水戸ホーリーホックへ期限付き移籍していたMF武田英寿が浦和へ帰還するのは待望していたニュースです。青森山田高校から高卒で浦和へ加入して以降、J2クラブでの武者修行を経て再び浦和のユニホームに袖を通す彼が中盤でどのようなプレーを見せてくれるのか、今から楽しみです。そして、へグモ監督が率いていたヘッケンからMFサミュエル・グスタフソンが完全移籍で加入するのはビッグニュースです。グスタフソンはヘッケンのキャプテンを務め、へグモ監督が志向する4-3-3システムの要的ポジションであるアンカーを務める、まさしくチームの頭脳的存在です。へグモ監督の戦術を熟知しているという意味でも、この現役スウェーデン代表MFの加入は非常に大きな影響を及ぼしそうです。

さて、新体制への期待感が膨らむ中、この『浦研プラス』も来年から大きくリニューアル致します!

まず、本サイトの主宰者である島崎英純はすでに日本へ一時帰国し、1月中旬頃から始まる予定である浦和のプレシーズンキャンプを例年と同じく全日程取材する予定です。キャンプ中は連日、トレーニングの様子や監督、選手などの動向、そして戦術、戦略の独自解析などを随時発信していきますので、ぜひお楽しみください! また、Youtubeを中心にしたライブや動画などももちろん、現地などから随時配信していきますので、よろしくお願いいたします!

また、かねてより、さらなるコンテンツ充実を目指して各種企画立案を続けておりました。そしてこの度、浦和のキャンプ実施の時期より、その新コンテンツの稼働を始めたいと考えております。それに際して、今後、皆様に各種ご連絡とお願いをさせていただきたく存じます。新コンテンツの内容や各種ご案内は年始のご挨拶のときに改めてご報告させていただければと考えておりますので、今しばらくお待ちください!

2023年度の『浦研プラス』の更新は本日まで。そして年明け、2024年度の『浦研プラス』は1月4日に新年のご挨拶をさせていただきます。

それでは皆様本、本年も大変お世話になりました。そして来年も引き続き、どうかよろしくお願い致します!

島崎英純

 

 

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