本格的に残留争いへ 「正しい助け合い」がピッチ上でできているのか【轡田哲朗レッズレビュー/J第34節 東京V戦】
(Report by 轡田哲朗)
平均年齢が上がってきたスタメン、マチェイさんは昨季も同じような起用だった
浦和レッズは10月19日に東京ヴェルディとリーグ戦の第34節を戦い1-2で敗れた。前線にアバウトなボールが入った後の切り替えで奪ったボールから渡邊凌磨の先制点が生まれたが、その後は試合を支配されて時間の問題のようになっていた失点を2つ重ねてしまった。スコアの経過がこうだから結果にもったいなさを感じる方もいるとは思うが、どちらが勝利で終えるかという点では概ね試合内容に対してフェアな結果が出たという感があり、それもまたチームの苦しい現状を表している。
マチェイ・スコルジャ監督は渡邊を右の2列目に置いて、中央には小泉佳穂を配置して大久保智明をベンチスタートにしていた。また、ダブルボランチは原口元気と安居海渡の並びで、サミュエル・グスタフソンもベンチから。右サイドバックには石原広教が戻ってきて、関根貴大は左の2列目に置かれた。そして、最前線には松尾佑介を置いた。昨季のマチェイさんは松尾のことをキャンプの途中までしか見ていなかったが、リカルド・ロドリゲス監督、ペア・マティアス・ヘグモ監督に続いて松尾のことをストライカーの位置で起用するに至った。
年齢を問わず「抜擢された」と感じるような選手もいないし、俯瞰的に見れば「スタメンの平均年齢がどんどん上がっている≒すでに実績のある選手たちで構成されて若手にチャンスがない」という傾向にチームが進んでいるのは客観的な事実だ。それは勝ち点が足りないことも手伝っているだろうけど、昨季を見てもマチェイさんがそういう起用をするタイプだという面もあるので、何とも言い難いところはある。昨季に指揮を執っているだけに、全くの「初めまして」ではない選手が一定数いることが悪い方に出ている可能性もあるし、それが見え方としても少なからず閉塞感につながるところは否定できないだろう。
それは助け合うことができているのか、組織的な行動なのか
試合が始まって20分くらいまでに、攻守にかなり厳しいものが見える試合になった。基本的に言うと集団で何かをしようとする、あるいは何かを成し遂げるための規律が足りていない状態にあった。あまりテーマを壮大にするつもりもないけど、特にヨーロッパから来た選手や指導者がたまに「日本人はプレーの上で規律を守るのは苦手だよ」という言葉を残すことがあるけれども、その典型的な姿があったとも言える。
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