「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

山田康太は、決勝の大舞台でも平常心を貫く【決勝戦前ロングインタビュー】

○山田康太

――まず、天皇杯の勝ち上がりを振り返っていきます。初戦は2回戦の山梨学院大学PEGASUS戦でした。カテゴリーが下の相手と対戦する天皇杯の初戦は難しいと聞きますが、終わってみればメンバーを大幅に入れ替えた中で71という勝利でした。

「初戦なので、もちろんチームとして気をつけてはいましたけど、試合が始まってベンチで見ていても、自分たちはプロなので、そこで変にやられるんじゃないかと思う必要もないし、そこはドシッとやることをやれば問題ないと思っていたので、全員がそういう感覚でプレーできた結果、71という勝利になったと思います」

 

――むしろ3回戦の徳島戦の方が難しかったでしょうか? チームとしてはリーグ戦では結果の出ていない時期で、山田選手自身もあの時は出場機会が限られている状況での、久々のスタメン出場になりました。

「徳島戦はヒデ(真家英嵩)と2トップを組んで、トップ下で出たと思います。自分の中の感覚としてはやりづらさはなく、徐々に感覚を取り戻して、去年まで山形でやっていたポジションで使われ始めた頃でした。中断期間の練習試合からは、ずっと中央のポジションをやっていますけど、その前から少しずつトップ下をやる機会が増えて、でもまだ自分のポジションが定まっている感じではなかった、という時期ですね。ただ、この徳島戦はリーグ戦では結果が出ていなくても、自分のイメージでプレーができた感覚があります。去年の天皇杯でも徳島と対戦して、かなり苦戦したと聞いていたので、去年の試合に出ていた選手は相当徳島を警戒していたみたいですけど、僕は去年、山形で徳島とは対戦していたので、選手の特徴がなんとなく分かっていました。今年、自分がJ1に来て感じたことは、やっぱり特徴がわからない選手と対戦するのは難しいということです。レイソルは徳島との対戦がなかったから、いろいろと考えることがあったと思うんですけど、僕は『この選手はこう出てくるんだろうな』ということが読めて、自分のプレーができた印象です。チームとしてもヒデが2点を決めて、安定した戦いができたと思います」

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