前半で追加点が欲しかった試合。後半疲労の色濃く追いつかれドロー決着【J3第5節沼津戦レビュー】
2025明治安田J3リーグ第5節
福島ユナイテッドFC1-1(前半1-0/後半0-1)アスルクラロ沼津
得点者
(福島)
10分中村翼
(沼津)
74分川又堅碁
福島ユナイテッドFCは4月23日、降雪・積雪のため中止となった明治安田J3リーグ第5節アスルクラロ沼津戦の代替試合に臨んだ。
大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ一戦だったが、先制したのは福島。10分中央でのパス交換から中盤でボールを受けたMF城定幹大がドリブルでゴール前へと仕掛ける。そして右サイドからゴール前へ入ってきたMF中村翼にパス。中村が強烈なシュートを沼津ゴールに突き刺し、良い形で先制に成功した。
しかしその後はポゼッションの上手い沼津にボールを保持される展開となってしまい、FW鈴木輪太朗イブラヒームやMF藤井建悟に何度か決定機をつくられてしまう。それでも福島はリーグ戦初出場となったGK上田智輝や、DF當麻颯らが守備で奮闘を見せ、前半を1-0で折り返す。
後半もFW清水一雅がわずかに枠の外に外れるシュートを放つなど決定機はあったが、次第に疲労からか活動量が減少し、沼津の攻勢を受ける展開となってしまう。そして74分クロスボールのこぼれ球を沼津DF一丸大地に拾われクロス。途中出場の元日本代表ベテランFW川又堅碁にヘディングシュートを決められ同点に追いつかれてしまう。
終盤福島はMF森晃太を投入し、いくつか決定的なチャンスもあったが、元福島の沼津GK渡辺健太のファインセーブもあり、ゴールを奪うことはできず、1-1の引き分けで終わった。
前半で勝負をつけなければいけない試合だった。1点目を取った後、2点、3点と畳みかける攻撃ができず、沼津にポゼッションされてしまったことがゲームを苦しくした。あとは疲労の影響はかなりあり、主力選手もベンチ外にせざるを得ず、出場した選手もやはり疲労の色が濃く、勝点1取れただけでも御の字としなければいけない状況だった。
10試合で4勝3分け3敗勝点15暫定8位という結果は、J2自動昇格が不可能・かなり厳しいとまでは言えないが、もう少し勝点を積んでおきたかったところではある。この4連戦でリーグ戦の勝点5を失ったと考えるとやや痛い結果と言える。
ただ、連戦があったおかげで多くの新加入選手を唯一無二のスタイルである福島のサッカーにフィットさせることができた。2025年型福島ユナイテッドFCをつくり上げるための基礎工事に10試合かかったと言えるだろう。多くの選手が福島のサッカーに馴染んだ状況がつくれたことで、基礎工事もこの4月で概ね完了できたと考えて良い。そう考えれば悪い状況ではない。
5月はここ数年苦手としており、ずっとアウェイで勝てていないカマタマーレ讃岐戦からスタートし、J2からの降格組ザスパ群馬戦、そしてここもずっとアウェイで勝てていない鹿児島ユナイテッドFC戦と続く。かなり厳しい3試合と言って良いだろう。ただ、この10試合福島らしいサッカーを貫き通しながら、トライアンドエラーで多くの知見を得られたことで、この厳しい3試合を戦うための力は整いつつある。5月の厳しい戦いに向けてしばしの休息を取り、オフ明けからまた良い準備をしていきたい。
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1.疲労をコントロールしながら得た勝点1
2.リーグ戦10試合で見えてきた今後の課題
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