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劣勢の試合が後半一変!思い切った選手交代とGKからのビルドアップへのこだわりでつかんだ上位対決での勝利【J3第18節FC大阪戦レビュー】

2024明治安田J3リーグ第18節

福島ユナイテッドFC2-0(前半0-0/後半2-0)FC大阪
得点者

(福島)
56
分吉永大志
58分塩浜遼

福島ユナイテッドFCは6月23日、明治安田J3リーグ第18節FC大阪戦に臨んだ。

立ち上がりから相手に押し込まれる時間が長く、苦しい展開だったが、「相手の土俵に乗らない」ことを目指した福島は、何とかGKやセンターバックからのビルドアップで状況を打開しようとするが、なかなか決定機はつくり出せなかった。それでも守備陣が体を張って踏ん張り、前半は0-0で終えた。

後半も苦しい展開が続いたが、1つのゴールで状況は一変した。この試合何度もプレスをかけながら、近い選手へのショートパスでビルドアップの起点になることにこだわり続けたGK吉丸絢梓がDF鈴直樹にパス。鈴は逆サイド相手陣内にいたFW塩浜遼にロングフィードを送る。塩浜はドリブルで仕掛け、対峙する相手に対し何度も切り返してクロス。DFの足に当たってファーサイドに高く上がったボールをヘディングでゴールに押し込んだのは後半頭から途中出場のMF吉永大志だった。

劣勢の中先制に成功した福島はさらに畳みかける。中盤でボールを奪い、MF大関友翔が中央をドリブル突破し、前線へパス。これは相手にカットされて、相手は縦パスを入れ、その後バックパス。このバックパスを倒れ込みながらカットしたのはFW澤上竜二だった。澤上のパスは塩浜に渡り、塩浜が右足で放った豪快なシュートはゴールに突き刺さり、リードを2点に広げた。

その後ピンチもあったが、終盤福島はMF大森博を投入し5バックにして、体格の良いFW矢島輝一と、身体能力の高いFW清水一雅が前線で時間を使いながらボールキープするなど、交代選手も各々の役割を全うした。2-0で3連勝し、順位を3位に上げた。2位のアスルクラロ沼津と勝点差は2。ついにJ2自動昇格圏は1つ上の順位に迫った。

残念ながら前半から後半の得点が生まれるまでは、相手の圧に対して押し込まれ、決定機をなかなかつくれない苦しい戦いだった。それでも相手の土俵に乗らず、GKからのビルドアップにこだわったことが、先制ゴールへとつながっていった。

そして、これまであまり寺田周平監督はやって来なかった後半頭の選手交代で、このところ好調なパフォーマンスを見せていた吉永を投入し、吉永は見事期待に応えてゴールを決めた。序盤はベンチ入りすらほとんど無かった吉永の存在感はこれでまた大きくなった。良いプレーを見せ、今のスタイルの中で自らの価値を示せば、こうして起用され活躍できるという好例になったことで、ベンチ外が続いていた選手たちの今後のモチベーションアップにもつながる。吉永のゴールが、今後のニューヒーロー誕生の呼び水となることを期待したい。

厳しい上位対決を勝利できたことで、チームはまたも大きく前進することができた。

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1.大きかった後半開始吉永投入の決断
2.圧を受けてもショートパスを出し続けた吉丸

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