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【山形vs相模原】レポート:全員で乗り切った! 天皇杯は3得点で3回戦に進出。

■天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会 2回戦
6月12日(水)山形 3-2 相模原(19:00KICK OFF/NDスタ/2,564人)
得点者:9’山田拓巳(山形)12’松本凪生(山形)21′ 福井和樹(相模原)38’加藤千尋(山形)55′ オウンゴール(相模原)
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自陣からのフリーキックを藤嶋栄介が蹴った直後、試合終了の笛が鳴った。藤嶋はそのまま仰向けに倒れ、余韻に浸っていた。

「『90分もったー』と思って。左足が60分ぐらいにつって、これボール蹴れねえなあと思って、ビルドアップも参加しにくくなったから、そこから右足でボール蹴ってたら、最後の5分ぐらい、右足もつりそうになって、「これはやばい」と思って。『延長になっちゃったらどっちも蹴れねえぞ』と思って」

それに続けて言った「でも、両足蹴れてよかったです(笑)」は、左右両足を使える選手だからこその半分ジョークのような言葉だった。このところの練習試合でも、2本目の30分が割り当てられた時間だった。この試合のようにセットプレー含めて受ける時間が長く、味方の攻撃時にも高い位置を維持し続けるのは容易なことではなかったが、まずはリードを保ったまま90分をやり切った。

モンテディオ山形の天皇杯は今年も2回戦から。その初戦、神奈川県代表、J3相模原との対戦では3-2で勝利した。

「先ほど選手にも伝えましたけれども、反省することはたぶんたくさんあったゲームだったし、そういうものは勝ち負けに関わらず常にしっかりと見つめて、それを次に進む糧にしてまた進んでいきましょうという話はしてきました。ただ、これはトーナメントなので、勝たないことには次戦う資格も得られませんし、そういったものを今日達成できたことはよろこばしいことだと思います」

試合後の会見で、渡邉晋監督はそう語った。「会心の勝利」とは呼べない内容ではあっても、大事なことはまず勝つこと。勝ちきれないリーグ戦の最中、まずは2回戦を突破したからこそ「次」がある。

直近のリーグ戦から中2日、大分戦と2試合続けて先発メンバーに名を連ねたのは右サイドバック・川井歩のみとなった。その大分戦の65分でピッチを後にした國分伸太郎、氣田亮真はリザーブに名を連ね、ほかの8人は完全にメンバーから外れた。「体調不良者が続出」(渡邉監督)の状況や、試合翌日に公表された熊本雄太、長谷川洸の長期離脱もあり、2種登録の選手もトップチームの練習に加わっていたが、今回のメンバーに入りはなかった。

そして並んだ11人は、GK藤嶋栄介、センターバックに菊地脩太、坂本稀吏也の若い2人が入り、左サイドバックはキャプテン・山田拓巳。ボランチは松本凪生と先日リーグ戦デビューを果たしたばかりの狩野海晟。トップ下には加藤千尋。3トップは高橋潤哉をセンターに、横山塁と坂本亘基がウイングを務めた。

対する相模原はリーグ戦から中3日。GK三浦基瑛、センターバック・加藤大育、山下諒時の3人を残し、8人を入れ替えた。3-5-2のインサイドハーフに岩上祐三、2トップの一角に瀬沼優司が入った。リザーブのフィールドプレーヤー6人のうち、5人はリーグ戦で先発した選手を残し、髙木彰人はここでもベンチからのスタートとなった。

キックオフから試合の主導権を握ったのは相模原だった。まずは大きく蹴り出し、モンテディオ陣内でプレー。距離のあるフリーキックを獲得すると、そこからクロスまで持ち込み、クリアがタッチを割ったところから、今度は岩上のロングスローが続いた。セーフティーに蹴り出しても距離が出なければまたロングスローで返ってくる。

ただし、無限ループのようなロングスローを受けながらも、「みんな『ここで我慢しよう』という意思統一はできてました」(高橋)、「ロングスローの練習をしてたので、難なく対応できたかなという感じです」(坂本亘)。まずはゴールを割らせずに凌いでいた。

まだ自陣深い位置ではあったが、右サイドでようやくスローインを獲得したのは9分。ここで松本が一気に前方へボールを送ると、「凪生がモーションに入ったので、ワンタッチで背後に来るなと思って、ディフェンダーの死角からうまく不意を突けた」と坂本亘が山下とのスプリント勝負を制し、ペナルティーエリア内の進入に成功。GK三浦に寄せられてはいたが、そのまま強引にシュートを選択する手もあったなか、その視野はフリーで走り込んできた山田をとらえていた。やさしいラストパスを山田はワンタッチでゴールに突き刺した。

この1点は、モンテディオに自信と勢いをもたらした。11分、菊地のフィードを見事なコントロールで受けた横山がそのまま縦に仕掛けてクロス。ひその直後には左サイドでも、山田のスルーパスで背後を取った坂本亘がディフェンスラインとキーパーの間にクロスを差し込んでいる。そして迎えた12分のコーナーキック。キッカー・狩野はマイナス方向へグラウンダーのパスを送ると、やや浮いたボールをしっかりコントロールした松本は左角度からミドルシュート。松本は無回転で落ちていくミドルシュートと、地を這うようなグラウンダーのミドルシュートを持っているが、このときの選択はグラウンダー。ボールはGK三浦の手をかすめてニアサイドに飛び込んだ。

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